DX人材とは?人材不足の背景と育成方法、必要なスキルについて解説
2023.08.25お役立ち情報昨今のデジタル社会の進化によって、DXの推進に向けて取り組んでいる企業が急増しています。しかし、DXの必要性が注目されている中で大きな課題とされているのが、DX人材の不足です。
DXの実現のためにはさまざまな役割を持つ人材が必要ですが、社内にDXやデジタル技術に関する知見がなくDX人材の育成の仕方が分からないというケースは多いかと思います。
そこで今回はDX人材が不足している現状とともに、DX人材の育成方法や必要なスキルについて解説します。DXに取り組もうとしている企業さまやIT人材の育成を考えているご担当者さまは、ぜひ参考にしてください。
DX人材とは?
経済産業省は、DX(Digital Transformation / デジタルトランスフォーメーション)を「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。
デジタル化によって変化した消費者行動やビジネスの多様化が注目されている新時代のニーズに対応するため、DXの推進が重要視されて導入する企業が増えています。DXは、常に進化するデジタル社会で企業が生き残っていくために必要なことであると言えるでしょう。
そして、DX推進に向けて必要不可欠となるのが「DX人材」です。DX人材とはDX推進を担う人材の総称で、「デジタル技術やデータ活用に精通している人材」かつ「DX推進をリード・実行できる人材」を指します。単にデジタルの知識や技術がある人ではなく、DX推進を実現するための人材として以下のような役割に分けられます。
- DXイノベーター:全く新しい視点でアイデアを創出する
- DXエグゼキューター:ビジネス視点でプロジェクトをリードする
- DXデベロッパー:テクノロジーの視点でアイデアを具現化する
- DX支援者:推進チーム外からプロジェクトを支援する
これらの役割はそれぞれ割り当てられるケースもあれば、複数の役割を兼務するケースもあります。DX時代においてビジネスを成功させるためには、1人にすべての役割を任せるのではなく、DX 実現に向けた組織・チーム作りが重要となります。
DXについて詳しく解説している記事はこちら
https://www.i-learning.jp/topics/column/useful/digitaltransformation.html
不足するDX人材の状況
DX人材はビジネス変革を行う上で必要不可欠な存在ですが、総務省の令和3年版情報通信白書では、DX推進における課題の一つとしてDX人材不足の深刻化が指摘されています。
DX人材の現状と未来
企業のビジネスモデルの変革を実現するためには、DXを推進していくデジタル技術と、技術を活用し事業へ展開する力を持つ人材が必要不可欠です。しかし現状、DX人材の不足が問題視されており、デジタル化の進行によって今後もあらゆる業界で人材不足が加速していくと推測されます。
DX人材が不足している背景として、DX人材の採用が困難であることが挙げられます。 近年デジタルシフトの進行が注目されているように、日々変化するデジタル技術を身につける高度なスキルを持つ優秀な人材はなかなか確保できません。
DX人材を確保する方法
多くの企業で不足しているDX人材の獲得競争は激化しており、企業が求めるDX人材を社外から採用することは比較的困難かと思われます。そのため、DX人材を確保するには社内の人材を育成する方法が現実的です。社内の既存社員への研修や教育のほか、DXに関する資格取得の推進などを通じてDX人材を増やし、適切に人材を配置していくと良いでしょう。
DX人材に必要なスキルとは
DX実現のためにはさまざまなスキルを持った人材が必要となります。ここからは、以下のDX人材に必要とされるスキルについて解説します。
- DX基礎スキル (ロジカル思考、課題解決、アプリ開発プロセス、プロジェクトマネジメント等)
- デジタルリテラシー(IT最新動向、AI、IoT、RPA、クラウド等)
- 価値創造力 (デザイン思考、クリティカルシンキング、インサイトセールス等)
- ビジネスモデルの構築・推進力 (ビジネスモデル、サービスデザイン、DX推進等)
- ビジネスプロセスの検討能力 (ビジネスアナリシス、BPM、アジャイル開発、データ分析等)
- プロジェクトの推進力強化 (リーダーシップ、プロジェクトマネジメント等)
DX基礎スキル
ITやデジタル技術の知識、論理的に考える思考力、課題解決能力、コミュニケーション力などは、DX人材として身につけるべき共通の基礎スキルです。まずはビジネス戦略に役立つプロジェクトマネジメント力やアプリ・システム開発の基礎、業務プロセスの仕組みなどを理解することが必要です。
デジタルリテラシー
DXを推進していく上でデジタルリテラシーは必要不可欠です。デジタル技術は常に進化しているため、ITの最新動向や最新技術についての情報を把握しなければなりません。ビジネスモデルの変革には、IT・デジタルに関する基礎知識の他、AIやIoTを活用したデータ解析などのスキルが必要です。
価値創造力
DXイノベーターには、企業のDX推進において、収集したデータによってこれまでなかった事業価値を創造する力が求められます。
顧客やユーザーにとって利便性のあるシステムでなければDX化によるメリットは見出せません。多様な角度からデザイン思考、クリティカルシンキング、インサイトセールスを行えるスキルが重要となります。
ビジネスモデルの構築・推進力
ビジネスモデルを構築することは、今のビジネス時代で事業を継続的に成長・発展させるために重要な戦略であり、DX実現のためには欠かせません。DXイノベーターやDXエグゼキューターにとって、ビジネスにおける理解力はもちろん、自社ビジネスにおける課題発見力、ビジネスモデルを構築する発想力、構築したビジネスモデルを円滑に進める実行力が必要となります。
ビジネスプロセスの検討能力
企業の目標を達成するには、事業・組織・業務を全面的に見直し、社内の業務プロセスを抜本的に再構築することが求められます。ビジネス環境は大きく変化していることから、時代に合わせて業務プロセスの効率化や業務改革を行うことでDX実現へと近づきます。そのためには、DXエグゼキューターには業務プロセスにおける問題を分析・発見するスキルが必要です。
プロジェクトの推進力強化
DXの推進は、組織やチームで取り組むことが成功へのカギとなります。そのためにはリーダーシップを発揮できる人材は欠かせません。DXエグゼキューターや周囲の支援者の中に、周囲の人を巻き込む力、全体の状況を把握してチームのリソースを管理できる力などを兼ね備えてプロジェクトを成功に導く力を持った人材が必要となります。そのためには判断力や戦略立案力、マネジメント力、コミュニケーション力など、プロジェクトを推進するためのあらゆるスキルを身につけることが大事です。
おわりに
今回は、DX人材が不足している現状や育成方法、DX人材に必要なスキルについて解説しました。DX人材に必要なスキルは多岐にわたるため、適性を見極めて各役割に必要なスキルを習得させてDX実現に向けたチームを作ることが重要です。
ただ、DX人材を育成したくても「社内にDX推進に関して詳しい人がいない」、「DX人材を育成するための社内環境が整っていない」など課題を抱えている企業さまも多いかと思います。アイ・ラーニングでは、DX推進研修や若手社員に向けたDX推進スキル強化研修を行っております。DX人材の育成・教育に関してお困りの際はぜひご相談ください。
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