ストレングスファインダー®とは?診断からわかる34の資質と活用ポイント

2024.03.04ビジネス
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分析

社会人として業務に臨んでいると向いている・向いていない仕事や、得意・不得意な業務があると思います。慣れれば問題なく行えるものはありますが、何度やってみても苦手な仕事があるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
企業で生産性を向上させるには、自身の得意・不得意を正しく理解し業務に臨むことが重要となります。

本記事では、従業員や自分の強みを発見するためのツールである「ストレングスファインダー(R)」についてご説明します。

▼ストレングスファインダー(R)(新名称:クリフトンストレングス)とは

ストレングスファインダー(R)(クリフトンストレングス)とは、自分の強みや弱みを発見する際に用いられるツールです。

人に得意な作業や不得意な作業があるのは、各人が持っている個性が異なることが要因となります。ストレングスファインダー(R)では、強みとなる要素を「才能」と呼びます。
企業では各人の才能を理解することで、適切なサポートや業務の最適化を行うことができます。
また、高パフォーマンスを発揮している同じ作業を実施している従業員が、必ずしも同じ性質を持つとは限りません。
ある人は丁寧に説明をしたり、ある人は自社・他社の商品知識が豊富だったりします。これらの性質を分類し、最終的に34の資質に分けたものがストレングスファインダー(R)です。

2023年現在で、ストレングスファインダー(R)を実施している方は世界中で3,100万人以上になります。
ストレングスファインダー(R)は、企業にとって従業員の性質を理解するために必要とされているツールだといえます。

▼▼ストレングスファインダー(R)が生まれた背景

ストレングスファインダー(R)はアメリカの心理学者であり教育者、作家、起業家でもあるドン・クリフトンによって考案されました。
ドン・クリフトンは人材開発の強化を通して世界を変えることが願いであり、「人がうまくできないことではなく、うまくできることを研究したら、何が起きるだろうか?」という質問を投げかけたことが始まりです。

1949年にドン・クリフトンはネブラスカ大学でネブラスカ人事研究財団(Nebraska Human Resources Research Foundation)を設立しました。
その後SRI(Selection Research Inc.)の設立を支援し、1988年にはSRIとギャラップ社を合併。SRIは顧客調査と人事選抜に特化しており、ギャラップは世論調査会社として有名でした。
本格的にストレングスファインダー(R)が始まったのは1999年であり、以降世界中で採用されるようになったのです。

▼ストレングスファインダー(R)で分類される34の資質

ストレングスファインダー(R)では、177個の質問に答えることで診断結果が出てきます。結果については5,000項目以上にもなりましたが、最終的に34の資質に分けられるようになりました。
ここでは、34の資質についてご紹介します。

▼▼人間関係構築力の資質

人間関係構築力に関する資質には、下記が含まれます。

適応性

適応性とは、「未来は常に変わるもの」という感覚を持っており、柔軟に対応する資質です。

運命思考

運命思考は、「人も物事もすべてどこかでつながっている」という感覚であり、出会いや出来事に必然を見出す資質です。

成長促進

成長促進とは、どんな人でも磨き続ければ何か光るものがあればあると信じて関わりを持つ資質です。

共感性

共感性とは、他社の感情が自分事のようにわかる資質であり、チームワークに必須といえるでしょう。

調和性

調和性とは、場の空気を読んで対立を起こさないように、波風を立てないようにコミュニケーションを図る資質です。

包含

包含は、仲間外れを作らずにチーム一丸となって、一人ひとりに居場所を与えられる資質を指します。

個別化

個別化とは、一人ひとりの個性や違いに目を向けて、資質や才能を見抜くことができる資質です。

ポジティブ

ポジティブとは、前向きで何事もプラスにとらえることができる資質です。

親密性

親密性は、長く続くような仲になるために、一人ひとりと深い関係性を構築する資質を指します。

▼▼影響力の資質

周囲にさまざまな効果を及ぼす影響力に関する資質には、下記の要素が含まれています。

活発性

活発性は、不確定な将来に不安を覚えるよりも、やってみようという考えのもと、すぐに実施するという心構えです。

指令性

指令性とは、自分がやるべきことに関して対立を恐れず、何事も自分で選択して決める資質を指します。

コミュニケーション

コミュニケーションは、言葉で人を納得させる影響力を持ち、高い表現力を持つことを示す資質です。

競争性

競争性とは、競争に勝ちたいという強い思いであり、常に一番・一位を目指すことができる資質を指します。

最上志向

最上思考は、何事にもより良くなるように改善・向上を目指す資質です。

自己確信

自己確信とは、自分の人生や自分が関わる物事をうまく進行することに自信があることを指す資質です。

自我

自我とは、自分を重要な存在として認めさせたい、認めてもらいたいと思う強い気持ちです。

社交性

社交性は、人との新たな出会いを求めて、次々とさまざまな人とつながっていく資質を指します。

▼▼実行力の資質

ビジネスを加速させたり、自分を成長させたりするための実行力には、下記の資質が含まれています。

達成欲

達成欲は、生産性の高さに直結する資質であり、必ず一つひとつの業務を完了させる資質です。

アレンジ

アレンジは、既存のやり方だけではなく、効率的に成果を生み出すために考えを巡らせることができる資質です。

信念

「世の中ややり方はこうあるべきだ」という価値観や倫理観、道徳観といった信念を持っている方が当てはまる資質です。

公平性

公平性の資質を持っている方は、特定の人に対してえこひいきや特別扱いといった感情を嫌う傾向にあります。

慎重さ

慎重さは、少ないミスや作業で最初から確実に成果を出すために、しっかりとプランニングや準備を行う実行力を指します。

規律性

規律性とは、物事を習慣化やルーティン化をすることが得意な資質をいいます。

目標志向

目標思考は、決められた目標に向けて工夫をしながら突き進む精神性を指すものです。

責任感

責任感は、自分に課せられた役割や責任を明確にして、確実に果たすことを徹底している資質です。

回復志向

回復思考とは、崩れたり散らかったりした物事を本来あるべき姿に戻すことができる資質を指します。

▼▼戦略的思考力の資質

戦略的思考力とは、分析や未来などさまざまな要素を戦略的に考えることができる資質であり、下記を含みます。

分析思考

分析思考は、物事に筋が通っており、論理的に考えることができる資質を指します。

原点思考

原点思考は、物事のルーツを探る資質であり、過去に向かって考える特徴を持つ資質です。

未来志向

未来志向は不確定な将来を予想し、考えることができる資質になります。

着想

着想とは、何かと何かを組み合わせて、新しい何かを生み出すことができる才能を指します。

収集心

収集心とは、自分が知らないことやわからないことをすぐに調べようとする探求心に近い資質です。

内省

内省は、物事を深く考えることができ、本質を見抜くことができる資質を指します。

学習欲

学習欲とは、知らなかったことを知っている状態にするプロセスを楽しむ資質を指します。

戦略性

戦略性とは、達成すべき目標に向けて何をするべきなのかを考える資質です。

▼ストレングスファインダー(R)の資質から見たリーダーのあり方

さまざまなリーダーたち

ストレングスファインダー(R)の資質から、リーダーには下記が求められます。

▼▼優れたリーダーたちに共通するもの

リーダーは部下に対して指導を行う必要がありますが、何より自分自身を理解しておくことが必要です。才能は全面的に出して部下の模範として行動し、苦手なことに対処するために何をするべきなのかを理解しておかなければなりません。
これらを押さえて指導することで、リーダーや部下は高いパフォーマンスを発揮することができます。

▼▼メンバーの強みに目を向け、引き出すことがリーダーの役目

先述の通り、人には得意・不得意な業務があり、チームではそれぞれをカバーし合いながら収益を上げます。お互いにはない才能を発揮し合うことで、強みを活かしたチームワークを発揮することができます。
そのためには、リーダーは部下の強みを十分に把握しておき、部下の強みが発揮できる活用する方法を理解・フォローする必要があります。

▼組織におけるストレングスファインダー(Rの必要性

組織においてストレングスファインダー(R)は、従業員が持っている資質や資質を理解し、活用するために用いられます。従業員個人の才能を発揮することで収益性が高まるだけではなく、高パフォーマンスを発揮することができます。
また、才能を発揮できる仕事に就かせることで、ストレスを感じることなく業務に臨んでくれることでしょう。

▼企業がストレングスファインダー(R)を導入するステップ

企業がストレングスファインダー(R)を導入するまでのステップは以下です。

  1. 強みになり得る才能を活かす発想に切り替える
  2. 個人の才能が活かせる体制や環境を整備
  3. チームでそれぞれ持つ資質を共有する
  4. 相互に補い、協力できる組み合わせを考える
  5. ストレングスファインダー(R)をマネジメントや組織づくりに活かす

▼ストレングスファインダー(R)を組織に効果的に活用するポイント

強みを持ち寄るチームメンバー

こちらでは、ストレングスファインダー(R)を組織に効果的に活用するポイントをご紹介します。

▼▼自分の資質を理解する

ストレングスファインダー(R)を効果的に活用するためには、自分が持つ資質を理解することが重要です。
資質自体が強みではなく、資質は強みのもとになるさまざまな才能を指すもので、組み合わせることで能力を発揮できます。
資質を理解することで、強みや弱みを理解・把握できるため、マネジメントの方向性や他者との接し方が見えるでしょう。

▼▼資質を活かした関わり方をする

リーダーであっても、すべての資質を持っているわけではなく、強みや弱みが異なるものです。そのため、同じような指導をすべてのリーダーが行う必要はなく、強みとするための行動を取る必要があります。

▼ストレングスファインダー(R)を活用して新たなリーダーシップを発見しよう

今回は、ストレングスファインダー(R)とはどのようなものなのかについて、利用方法や導入方法についてご説明しました。ストレングスファインダー(R)は個人が持っている資質や才能を調べるために使われるツールであり、Web上で受けることができます。
結果を確認し、リーダーは指導やチームビルディングなどに使うことができ、従業員は強みや才能を伸ばす際に利用できます。
当社では組織やチームのリーダーを対象に自身の持つ才能や適性を発見し、仕事における強み活かすためのコースを用意しています。
行動と成長方法を知るためのコースから、ご自身に合ったものをお選びいただけます。

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