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Dr.アイの悩み相談室 file08

file08:“心理学”をスキルとして使って対人関係を改善しよう!

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相談者:モノ言わぬ部下に血圧上昇気味の課長

  • 私の部下はいつも「すみません、すみません」としか言いません。ほんとに自分の意見を言わないのです。自分に自信がないみたいです。私がいつも「自分の意見を言ってみなさい」と諭しても、はっきり言うことができません。どう促してもさっぱり効果が上がりません。


    先生、何か良いアドバイスをお願いします。

回答者:Dr.アイ

  • モノ言わぬ部下に血圧上昇気味の課長さん、イライラされているご様子お察しいたします。この手のご相談を時々受けるのですが、私はまず、「あなたは部下の話をちゃんと聴いていますか?」と尋ねることにしています。なぜかと言いますと、「意見を言ってみろ」と言いつつ、実は「オレの言うことを聞け」という印象を部下に与えている方が多いからです。


    そうするとやっぱり、部下はなかなか自分の意見を出せません。「部下が意見を言わない」と言っている上司が、無意識にそうさせている、ということがよくあるのです。あなた自身がそういう会話をされていないか、ご自身の言動を今一度振り返っていただきたいと思います。


    相手の心の中にいる「子供」を、自分の中にいる「親」が刺激する
    人間は不思議な生き物で、話す相手によって心理状態が変わる、という性質を持っています。厳格な「親」のように高圧的に話しかけると、相手は「子供」のように萎縮して返答することがあります。その逆もあります。それぞれの心の中にいる「親と子供」が刺激しあうためです。
    職場でのコミュニケーションという観点から見ると、あまり生産的な状態とは言えません。普通の大人同士の対応に変わるにはどうしたらよいでしょうか。相手だけに要求するのではなく、自分自身が変わる必要はないのか、そのあたりをよく考えていただきたいと思います。


    相手とのやりとりで自分も変わる
    もしあなたが部下の話をよく聴いた上で、一人の大人として感想を伝えたり質問したりするならば、相手も別な反応を示すに違いありません。
    こんな例もあります。ある奥様が夫に、「だいたいあなたは忘れっぽいのよ」と言います。これに対して夫が、「おまえだってよく忘れるじゃないか」と返したとしたら、ちょっと険悪な関係になってしまいます。


    もし夫が、「そうだね、私が悪かったね。でもね、ちょっと考えみてほしいんだけど」という具合に、大人の態度で受け答えすると、非常にいい雰囲気で話が進みます。大切なことは、いつも自分を振り返ってみて、今話している自分が、相手にどういう影響を与えているかを考えてみることではないでしょうか


    相手を認め、プラス志向で働きかけを行っているか
    さらに一歩進んで考えていただきたいことがあります。人は褒められたり、共感してもらったりするとうれしいものです。ところが、私たちは職場において、どうも部下の過ちを指摘したり、改善点を指導してしまうことが多いのではないでしょうか?人は良いところよりどうしても欠点に目が行きがちなものです。でも、欠点ばかり指摘されていては、社員もやる気をなくしてしまうだけです。
    無理に褒めろというのではありません。真摯な態度で相手と共に考え、前進するように事を運ぶというのもプラスの刺激になります。相手を認め、プラス志向で働きかけを行ってくと部下のやる気も出てきて、自分の意見をはっきり言うことができる環境ができるのではないでしょうか。一度考えいただきたいと思います。


    ところで、「新しい時代の対人関係スキル−組織で生かすやさしい心理学・TA(交流分析)」という研修コースがあります。私も講師の一人です。TAは、自分自身の心を見つめ、解決のヒントを見つけていくという考え方を持つ心理学です。
    とはいっても、これは心理学という学問を学ぶのが目的ではありません。演習を通して、自分はどういう行動パターンが出やすいかを分析する。実際のやりとりのパターンを実演してみて相手の対応の違いを経験する。相手を褒めてみて、相手の存在を認め働きかけること(TAではストロークと呼ぶ)の気分を実感する、といった楽しい体験をします。


    参加者も男女関係なく若手社員から管理職まで、いろいろな方に参加していただいています。そして「参加者同士が交流しながら、楽しく自分に気づくことができた」、「TAという心理学を使った対人関係の基本を知った」という感想をいただいています。
    あなたの悩みを解決するために、いっしょに考えてみませんか?

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