フォレンジックとは?企業における必要性や調査プロセス、実施時の注意点

2023.09.19IT
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デジタル分野におけるフォレンジックは、サイバー攻撃やセキュリティインシデント発生時の原因究明やリカバリー・再発防止などに役立つ取り組みです。

今回は、トラブル発生時の被害を最小化する上で重要な役割を果たすフォレンジックについて、必要性や基本プロセス・注意点など、基本的なポイントをご紹介します。

フォレンジックとは

フォレンジック(forensic)という言葉の本来の意味は、「法医学の」「法廷の」「科学捜査の」などです。訴訟における立証や刑事事件などに関連して使われます。

情報セキュリティ分野におけるフォレンジック(デジタルフォレンジック)とは、デジタル機器のデータやログを解析する取り組みのことです。不正アクセスの痕跡や影響範囲を確認する、データを保全・復旧する、といった作業がフォレンジックにあたります。

  • フォレンジックの重要性・必要性

フォレンジック調査の基本プロセス

フォレンジック調査は、基本的に、以下のようなプロセスで進めます。

  1. ① 現場のデジタル機器の確保
  2. ② データの取り出し
  3. ③ データの解析と分析
  4. ④ 調査結果の報告書作成

各段階の内容について、もう少し詳しく見ていきましょう。

 現場のデジタル機器の確保

フォレンジック調査を行う際は、最初に、現場のデジタル機器の確保を行います。

セキュリティインシデントに関係する機器を速やかに確保し、他の機器とは分離して管理しておくことで、証拠が失われることや機器の取違え・被害の拡大などを防げるためです。ひいては、精度の高い事後対応にもつながります。

特に、モバイル端末や外付けの機器類などは、確保を忘れやすいため注意が必要です。

 データの取り出し

フォレンジック調査の対象となるデジタル機器の確保ができたら、データの取り出しを行います。機器類に保存されているデータやログ・タイムライン情報など、あらゆるデータをコピーしていきます。

また、データが暗号化されたり破損したりしている場合は、その解読や復元を行ってデータを解析できる状態にすることも、この段階で必要となる作業です。

 データの解析と分析

フォレンジック調査の対象となるデータの収集や整理が完了したら、解析・分析を行います。解析・分析は、以下のような、さまざまなデータに対して実施します。

◆ 解析・分析の対象データ例

  • データやファイルの作成、保存の履歴
  • メールを送受信した履歴
  • インターネットの利用履歴
  • プログラムのインストール履歴
  • サーバー上に保存されたログ など

これにより、セキュリティインシデントの原因や影響範囲を、特定することが可能です。

 調査結果の報告書作成

解析・分析が終わったら、調査結果の報告書を作成します。報告書は、法廷などでの証拠資料として使えるほか、責任の所在を明らかにする用途や、再発防止対策を行うための有益な参考資料として使うことも可能です。

報告書には、解析・分析から判明した事実だけでなく、そこから導き出せるトラブルの全体像や要点を整理してまとめます。

ビジネスにおけるフォレンジックの活用事例

フォレンジック調査は、ビジネスのさまざまなシーンで活用できます。

◆ ビジネスにおけるフォレンジックの活用例

  • 内部情報漏えいの調査
  • 不正アクセスやハッキングの追跡
  • 企業内での不正行為の調査

ここでは、上記の代表的な活用例をご紹介します。

  • 内部情報漏えいの調査
  • 不正アクセスやハッキングの追跡
  • 企業内での不正行為の調査

フォレンジック調査実施時の注意点

フォレンジック調査を実施する際は、注意すべき点が3つあります。

  • 法的制約とプライバシー問題
  • 調査の正確性と責任
  • 信頼性のある人材のアサイン

どのような点に注意すべきなのか、順番に説明していきます。

  • 法的制約とプライバシー問題
  • 調査の正確性と責任
  • 信頼性のある人材のアサイン

まとめ

フォレンジック調査は、セキュリティインシデントや内部の不正行為の原因究明・再発防止などに、効果的な取り組みです。

情報漏えいの被害から組織を守るには、フォレンジック調査を積極的に活用するとともに、社内のセキュリティ対策を徹底させることが、重要といえるでしょう。
社内のIT技術者のスキルアップとセキュリティ強化を図るためには、外部研修の活用が有用です。この機会に、組織の安全性を高めましょう。

i-Learningのデジタルフォレンジックに関連する研修コースの一覧はこちら

 [CD476] 実践!セキュリティ(インシデント対応/フォレンジック調査)

 [CDL35] CompTIA Cybersecurity Analyst (CySA+) (受験バウチャー付き)

 [CDL07] デジタル・フォレンジックコース ~侵害調査の基礎訓練~

 [SEC22] CHFI (Computer Hacking Forensic Investigator) (受験バウチャー付き)

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