Tableau(タブロー)とは?特徴や注意点、ライセンス体系
2024.05.27IT「Tableau(タブロー)」とは、データの視覚性と操作性に特化したBIツールです。事業上における質の高い意思決定を迅速かつ的確に行えるよう支援し、経営戦略や売上拡大に役立てることができます。
本記事では、Tableau(タブロー)の概要や特徴、導入時の注意点などをわかりやすく解説します。
BIツール
企業で蓄積している膨大なデータを集約・加工・分析し、情報を可視化できるソフトウェアのことを「BIツール」といいます。BIはビジネスインテリジェンスを意味し、BIツールは社内のデータを活用して事業上の意思決定に役立てるツールのことです。1980年代にシステムやデータベースのスペックが向上し、経営戦略や業務効率化を図るツールとして一般化されています。
消費者ニーズが多様化して経営戦略や売上拡大に向けた動きが高まっている中、社内のデータから課題抽出し、改善に努めることが重要です。社内に散在する膨大なデータをもとに、迅速かつ質の高い意思決定を行うためにも、BIツールは欠かせません。
Tableau(タブロー)とは
Tableauは上記で説明したBIツールの1つです。BIツールの中でも直感的な操作でビジュアル化することに特化しており、膨大で複雑なデータをひと際分かりやすく整えて可視化することが可能です。専門的な知識を必要とせず、レポート作成やプレゼンテーションの資料作成などで重宝されています。
Tableauはアメリカのシアトルに本社を置くグローバル企業です。国内外問わず多くの企業で導入されており、2012年には日本法人「Tableau Japan株式会社」が設立され、日本でのビジネスが展開されました。
Tableauの特徴
Tableauには以下のような特徴があります。
豊富な機能が備わっている
Tableauには豊富な機能が備わっており、企業の目的や社内状況に合わせたインサイトを業務の中で得ることができます。主な機能としては以下のような機能があります。
- ダッシュボード機能:複数のビューを集合させ、さまざまなデータを同時に比較できる機能
- ビジュアル機能:グラフや表、チャートなど、分析内容や目的に合わせて最適な形で可視化する機能
- データベース機能:散在しているデータの中から抽出・分析などで活用するデータを格納する機能
- 自動更新機能:抽出・管理されたデータを定期的に自動更新し、最新の状態に保持する機能
ビジュアルと操作性に優れている
TableauはBIツールの中でも、優れたビジュアル表現と直感的な操作性を実現しているのが大きな魅力です。特別なプログラミング技術や難しい操作の必要はなく、ドラッグやドロップなど簡単な操作のみで、迅速かつ簡単にデータ分析・資料作成を行うことができます。パソコン操作に長けていなくても、基本的な使い方を学べば誰でも視覚的に理解しやすい資料を作成することが可能です。さらにTableauでは、用意されているチャートの中から最適な形でビジュアル化対応しているため、グラフや表などの分析結果から瞬時に課題点を判断することができます。
連携性が高い
外部ツールとの連携性に優れているというのもTableauの特徴の一つです。Tableauに用意されているネイティブコネクタは、Excel、スプレッドシート、PDF、Googleアナリティクスの他、多数のアプリケーションやWeb上のデータとの連携が可能です。この利便性や使い勝手が、Tableauが注目されている理由の一つといえます。また、作成したデータや分析結果を社内で共有することができ、情報共有体制の質の向上と、意思決定までのスピード向上を期待できるでしょう。
TableauとExcelの違い
では、Tableau はExcelと比較してどのような違いがあるのでしょうか。Tableauならではの導入メリットとあわせてご紹介します。
高い拡張性がある
Tableauには、直接他のアプリケーションのデータを統合して操作することができる拡張機能が備わっています。連携可能な主要サービスは以下のとおりです。
- Google Ads
- Google アナリティクス
- Microsoft SQL Server
- Amazon Athenaなど
Excelとは異なりTableauは各種サービスへ直接アクセスが可能なため、多種多様なデータの中から必要なデータを取り込み、新たな発見の可能性を広げてくれます。
効率的な資料作成ができる
Tableauにはダッシュボード機能が備わっており、さまざまなデータを連携して、プラットフォーム上で見やすい資料を作成することができます。Excelで資料作成を行う場合はデータの入力や表計算、グラフの作成、PowerPointに取り込むという一連の作業を繰り返す必要がありますが、Tableauではこれらのプロセスが不要です。さらに、多数のチャートタイプから分析内容に合わせて最適な形でビジュアル化するため、資料作成にかかる工数を大幅に削減できます。
Tableau導入の注意点
Tableauを採用し、導入する際にはいくつかの注意点があります。
使いこなすには時間がかかる
Tableauは専門的な知識が不要で、誰でも直感的に操作できる点が特徴のツールです。しかし、Tableauには豊富な機能が備わっているため、導入後すぐに慣れるのは難しいかもしれません。特にパソコン作業が苦手な人だと、スムーズに使いこなせるようになるまでに時間がかかります。操作に強い人だけでなく、全従業員が問題なく使いこなせるよう、導入前は教育期間を設けるようにしましょう。慣れないうちはマニュアルなどを作成・共有し、進捗状況をチェックすることをお勧めします。
導入コストが高い
Tableauは、機能性や操作性、連携性などさまざまな利便性に優れている反面、導入コストがかかってしまうというデメリットがあります。Tableauには3つのライセンス体系が用意されていますが、導入時にはTableau Creatorライセンスプログラムが少なくとも1つ必要で、他の2つのライセンスはTableau Creatorと併用する形となります。次項でTableauのライセンス体系に関してご紹介しますが、導入費用にあまりコストを割けられない企業にとっては懸念点となる可能性があるため、導入する際はよく検討しましょう。
Tableauのライセンス体系
ここからは、Tableauの3つのライセンス体系についてご紹介します。
Tableau Creator
Tableau Creatorは、Tableau Desktop、Tableau Prep Builder、Tableau Onlineを利用できるライセンスです。データ作成やダッシュボード作成、共有といった操作が可能で、組織の中でもレポートやメールを作成・共有するユーザーの業務効率化を図ることができます。
Tableau Explorer
Tableau Explorerは、Tableau Onlineを利用できるライセンスです。用意されているデータベースや共有データを取り込んで、分析から可視化までの操作を行うことができます。
Tableau Viewer
Tableau Viewerは、Tableau Onlineを利用できるライセンスです。グラフなどデータの分析結果の表示と操作がメインであり、社内全体に情報を共有して事業上における意思決定の質やスピードを向上させることができます。
まとめ
Tableauを導入することで、社内に散在している膨大なデータを分かりやすい形で可視化することができ、事業上における課題と改善点を見出すことが可能です。Tableauの機能やメリットを理解し、企業に取り入れることで、売上拡大や業務効率化などさまざまな利益を得られるでしょう。
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アイ・ラーニングコラム編集部
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