データドリブンとは?経営やマーケティングに役立つデータドリブン実現のポイント
2023.08.23ITさまざまなデータの分析結果を意思決定に活用するデータドリブンを、取り入れる企業が増えています。ただ、データを活用しようにも、どこから手を付けて良いかわからないケースも多いでしょう。
今回は、そんなデータドリブン初心者が押さえるべき、概要・実践プロセス・ポイントなどの基礎知識を解説します。
データドリブンとは?
データドリブンとは、データの分析結果をもとに意思決定をすることです。特に、経営やマーケティングに有用な取り組みです
データドリブンを導入すると、長年の経験や勘などに頼らずとも、客観的な指標に基づき、
- 製品やサービスを改善
- 自社の強みや課題を発見
といったことが誰でも可能になります。
精度の高い判断や意思決定を属人化させることなく、誰もが行えるようにする上で、データドリブンは欠かせません。そのため、経営層に限らず、組織全体にデータドリブンを浸透させることが重要です。
データドリブンが必要とされる背景
近年、データドリブンが大きな注目を集める背景には、次のようなビジネスを取り巻く環境の変化があります。
- デジタル化に伴い多くのデータを集めやすくなった
- 顧客ニーズが多様化した
- AIの進化などによって精度の高い分析が可能になった
データドリブンが必要とされる背景について、もう少し詳しく説明します。
デジタル化に伴い多くのデータを集めやすくなった
データドリブンの必要性が高まった一因として挙げられるのが、企業の業務及び顧客の消費活動においてデジタル化が進展し、以前よりも多種多様なデータを簡単に集めやすくなったことです。
例えば、
- アクセス解析やECサイト分析により、オンライン上での顧客の行動に関するデータを収集
- 業務システムのデジタル化、IoT導入などに伴い、多様なデータを連携させて管理
といったことが可能になっています。
特に、近年データ収集しやすいオンラインでの消費活動のウエイトが大きくなったことに伴い、ますますデータドリブンの有用性は高まっている状況です。
顧客ニーズが多様化した
インターネットの普及に伴い、顧客ニーズが多様化したことも、データドリブンが重要視される理由です。
近年では、購入する商品・サービスを検討する際に、各種ECサイトや比較サイト・SNSなど、多くの媒体を参考にします。その結果、顧客のニーズは複雑化し、従来のリサーチだけではニーズを捕捉するのが難しくなっているのです。
そのため、インターネット上の情報を収集・分析しマーケティングに活かせるデータドリブンが、重要視されています。
AIの進化などによって精度の高い分析が可能になった
データドリブンへの注目が高まっている背景には、ディープラーニングをはじめとするデータ処理技術の進歩により、大量のデータを短時間で分析可能となったことも挙げられます。
従来は、せっかくデータの蓄積があっても、分析に時間がかかり実用性に乏しいという弱点がありました。
しかし、AIにおけるディープラーニングやクラウドなどの技術が浸透し、手間や時間をかけなくてもビッグデータを分析・活用できるようになった結果、注目する企業が増えているのです。
データドリブン実践のプロセス
データドリブンを実践する基本的なプロセスは、次の3ステップです。
- ① データの収集・整理
- ② データの分析
- ③ 分析結果に基づき意思決定
各段階で行うべき内容を、順番に確認していきましょう。
① データの収集・整理
データドリブンに取り組むためには、最初に、目的に応じたデータを収集し、分析に適した形式で整理しておく必要があります。
何らかのデータが蓄積されていればデータドリブンが実現するのではなく、意思決定の内容や目的に応じた情報を揃える必要があるためです。
データ分析をする目的が不明確な場合は、手戻りをなくすためにも、データ収集を始める前に、具体的に整理しておきましょう。
また、データを同じ形式で統合する・抜けや誤りを修正する・必要に応じて集計する、などの整理をしておくと、信頼性の高い分析結果を得やすくなります。 データ量が多い場合は、ツールを活用することで効率的に進められますので、導入を検討しましょう。
② データの分析
データを分析する際のポイントは、手法に振り回されず、目的に合わせて分析を行うことです。
例えば、ディープラーニングの注目度が高いから、名前を耳にしたことがあるから、といったアバウトな理由で「分析にはとりあえずディープラーニングを採用してみよう」と考えるケースもあるかもしれません。しかし、ディープラーニングにも、相性の良い分析と、そうでない分析があります。
目的に合わない分析手法を選んでしまうと、コストばかりがかさみ、必要な分析結果が得られない結果になってしまうでしょう。
手法と目的のミスマッチを避けるには、データ分析の専門家に相談する・社内で知識やスキルを有する人材を育成するなど、人材の確保が重要です。
③ 分析結果に基づき意思決定
分析結果に基づき意思決定を行う際は、データ分析にも偏りや抜けといった不備があることを前提に、活用しましょう。
目的に応じてデータ収集と分析手法の選定を行ったつもりでも、最初から最適な分析結果が導きだせるとは限らないためです。
「意思決定の参考として活用する中で判明した課題をフィードバックし、収集するデータや採用する手法を改善する」という工程を繰り返すことで、分析の精度を格段に高めることができます。
データドリブンを実現させるポイント
データドリブンな組織を実現させるには、次の2つのポイントを押さえましょう。
- 経営層も含めて社内で連携して取り組む
- データ分析スキルを有した人材を育成・確保する
経営層も含めて社内で連携して取り組む
データドリブンを実現するには、経営層も含め、社内で連携して取り組む必要があります。
データドリブンに取り組むには、データ収集やツールの導入・業務の進め方の変更など、社内の協力及びまとまった投資が必要になるからです。
特に、既存のやり方を変える際は、抵抗感を持つ組織や従業員が出やすくなります。経営陣がデータドリブンの必要性を明確に打ち出すとともに、小さなセクションから始めてみて徐々に全体へ広げるといった進め方の工夫が、重要になるでしょう。
データ分析スキルを有した人材を育成・確保する
目的に合ったデータ分析を行うには、分析のスキル・知識を有した人材の確保が必須です。特に、社内の従業員教育は、データドリブンを組織に浸透させる上で欠かせません。
ビジネス課題解決のためのデータ分析スキルを身につけるためには、
- 共通言語醸成のためのデータリテラシー教育
- 社内データ基盤構築のためのエンジニアリング力向上
- 実際のビジネス課題をデータ分析で解決を目指す実習
などを行うのが、効果的です。
外部研修を活用し、効率的に人材育成を行いましょう。
まとめ
データドリブンは、個人の経験や勘に頼ることなく、誰もが安定した成果を上げるために有用な取り組みといえます。成功の秘訣は、目的の明確化と適切な手法の選択です。社内で分析の知識・スキルを有した人材を育成し、データドリブンを実現しましょう。
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