セルフマネジメントの重要性と実践方法

2023.08.23ビジネス
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セルフマネジメントの重要性と実践方法

近年「セルフマネジメント」という言葉がビジネスシーンにおいて注目されています。 セルフマネジメントとは、チームをマネジメントするようにして自分自身のことをマネジメントし、目標達成などに役立てる手法のことです。

本記事では、セルフマネジメントとは何かといった基本的な内容から、その重要性と企業にとってのメリット、実践方法などを解説します。自社の従業員や部下にセルフマネジメントスキルを身につけさせたいとお考えの方はぜひご参考にしてください。

セルフマネジメントとは

セルフマネジメント(self-management)とは、直訳すると「自分自身を管理すること」です。自身の行動や習慣、そしてその深層にある思考や感情を律し管理することにより、自身のパフォーマンスを最大限に高め、目標達成に役立てます。 目標となるものはさまざまで、業務上の売上額や担当件数などの目標から、健康の維持や対人関係などのプライベート面にも適用できます。

セルフマネジメントが注目を集めている理由

近年セルフマネジメントに対する注目度が高まっている背景には、どのような理由があるのでしょうか。

働き方改革・コロナ禍の影響

セルフマネジメントが注目されている理由の1つに、働き方と仕事に対する意識の変化があると考えられます。
政府が働き方改革を推進したことやコロナ禍などにより、自宅などで仕事をするテレワークが広く普及しました。仕事を効率的に進めるため、または場所や環境を問わずモチベーションを維持するために、セルフマネジメントが役立てられています。
残業を始めとした長時間労働を問題視する動きや、多様な働き方から自分に合った働き方を選択する機運が高まったことにより、仕事とプライベートのより良い調和を目指す人が増えたことも関係しているといえるでしょう。

自律型人材・自律型組織

自律型人材・自律型組織を目指す企業が増えていることにより、従業員一人ひとりが主体的・能動的に動ける力を身につけることも求められています。セルフマネジメントは自律型人材の育成と非常相性が良いため、自律型組織を目指す組織の多くで用いられています。

セルフマネジメントが企業にもたらすメリット

セルフマネジメントを従業員に広く周知し実践することによって、企業にはどのようなメリットがもたらされるのでしょうか。主なメリットは以下の3つです。

  • ビジネスパフォーマンスの向上
  • 従業員のストレス軽減とワークライフバランスの改善
  • 組織のエンゲージメント向上

ビジネスパフォーマンスの向上

ビジネスパフォーマンスの向上

従業員がセルフマネジメントスキルを身につけ実践することにより、業務効率化が実現し、チームや事業部全体の生産性向上が期待できます。効率化により自己研鑽や資格取得などに充てる時間が創出されれば、さらなるスキルアップも望めます。

また、セルフマネジメントで身につけたマネジメントスキルは、業務にも活かすことが可能です。業務の進行がスムーズになることで、パフォーマンスの最大化がなされます。

従業員のストレス軽減とワークライフバランスの改善

自己管理が行き届けば、自ずと仕事や日常生活におけるストレスは軽減していきます。長時間労働の是正にも寄与するため、従業員のワークライフバランスが改善され、より生き生きと仕事に取り組むようになります。

メンタル面の健康は身体の健康にも直結することから、健康経営の実現にも寄与するといえるでしょう。また、従業員の健康問題を理由とした離職を低減できることから、定着率向上にも一役買うことが期待できます。

組織のエンゲージメント向上

組織エンゲージメントの向上は企業の重要課題です。企業がセルフマネジメントの実践を推奨することにより労働時間の削減や自己実現が叶えば、組織と従業員との信頼関係はより強いものとなります。

組織エンゲージメントが向上すればチーム間の信頼関係も強化され、チームの生産性も向上します。ひいては定着率にも良い影響を及ぼすでしょう。

セルフマネジメントの実践に役立つテクニック

セルフマネジメントの構成要素

セルフマネジメントは、下記5つの要素から構成されています。

  • メンタルヘルスケア(セルフケア)…精神面での健康を維持するため、自分自身でケアをしていくこと
  • レジリエンス…困難な状況やストレス源に対して、柔軟に適応し回復する強さ
  • マインドフルネス…今現在の自分の置かれた状況にのみ意識を集中すること
  • アンガーマネジメント…怒りの感情を自覚し、適切にコントロールすること
  • キャリアデザイン…自身の将来像を設定し、主体的にキャリアを描いていくこと

これら5つの構成要素を達成するためには、下記のようなテクニックを活用すると効果的です。

ゴール設定テクニック:SMART法

メンタルヘルスケアで理想的な自分の精神状態について考えたり、キャリアデザインにおいて目指すゴールを設定したりするにあたり有効なテクニックが「SMART法」です。

SMART法では、まず目標をSpecific(具体的)、かつMeasurable(計測可能)なものへと落とし込みます。続けて、設定した目標について実際にAchievable(達成可能)かどうか、Related(経営目標との関連性)があるかどうかを確認します。最後にTime-bound(時間的な制約)、つまり達成期限を設定します。

明確で達成可能な目標を立てることは、セルフマネジメントの第一歩です。SMART法に沿って目標設定を行うことで、現実的で意義のある計画を立てることができ、自己管理に役立てられるでしょう。

ストレスマネジメントテクニック:マインドフルネス瞑想

ストレスマネジメントテクニック:マインドフルネス瞑想

メンタルヘルスケアのセルフケア手法はさまざまありますが、特に重要なのが「マインドフルネス」の実践です。
マインドフルネスの基本は「今」「ここ」に意識を向けること。それを体感するためには「マインドフルネス瞑想」がおすすめです。

瞑想では、深く呼吸をしながら、浮かんでくる思考をあるがまま受け止め観察していきます。心に雑念が生じた際も、雑念を否定するのではなく「雑念が浮かんできた」ということを認識し、受け流していくイメージです。

マインドフルネス瞑想は、1回あたり10分程度でも十分な効果が出るとされています。場所や時間を選ばず取り組むことができるため、ぜひ1日の中に取り入れたいところです。

まとめ:企業がセルフマネジメントの取り組みを進めるために重要なこと

セルフマネジメントは、テレワークでも力を発揮できる自律型人材が求められる現代において有用な手法として注目を集めています。セルフマネジメントの実践にあたっては、SMART法やマインドフルネスなどのテクニックを身につけるのが近道です。

従業員一人ひとりがセルフマネジメントスキルを身につけ、実践していくことで、組織全体のエンゲージメントや定着率の向上、健康経営の実現へとつながっていきます。

セルフマネジメントスキルの習得や定着化を目指す場合、外部研修の設定をおすすめいたします。外部の専門家やコンサルタントによる講習を受けることで、体系的にスキルを習得できるだけでなく、内部研修では得られない新たな視点やマインドを得ることができるためです。
従業員向けの外部研修を戦略的に導入し、セルフマネジメント能力を向上させてみてはいかがでしょうか。

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👉https://www.i-learning.jp/service/human/work.html

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