従業員エンゲージメントとは?エンゲージメントを高める方法とメリット
2023.08.23ビジネス昨今、注目されている従業員エンゲージメントとは、従業員と企業の関係性を示しています。企業の成長において従業員エンゲージメントは欠かせないものとなっており、人材確保や業績向上のためにも取り組むべき課題であるといえるでしょう。
今回は、ビジネスにおける従業員エンゲージメントの意味やメリット、従業員エンゲージメントを高める方法について詳しく解説します。
エンゲージメントとは?ビジネスにおける意味を解説
エンゲージメントとは、一般的に「約束」「契約」「婚約」といった意味を持ち、2つの物事の関係性を指します。
ビジネスにおいては、企業やビジネスパーソンの間における深い関わりや結び付きのことを意味します。
人事領域では、企業に属する従業員と組織が一体となって、双方に貢献し合う関係性を指します。これを「従業員エンゲージメント」と言います。
その他に、ビジネスにおけるエンゲージメントとしては、顧客との結び付きを表す「顧客エンゲージメント」などがあります。
従業員エンゲージメントが注目されている背景
従業員エンゲージメントが注目されている背景としては、働き方改革や人材不足などの理由が挙げられます。
労働人口の減少に伴う人手不足が課題とされている昨今、企業には優秀な人材の確保や従業員が長期的に定着するための対策が求められています。従業員一人ひとりが主体的に業務へ取り組もうという意欲を持つことが、結果として企業の存続・成長に繋がっていきます。
働き方が多様化している中、少ない人員で成果を出し企業存続を目指していくためには、従業員エンゲージメントを高めて個々のパフォーマンス能力を最大限に発揮することが求められているのです。
従業員エンゲージメントとワークエンゲージメントとの違い
従業員エンゲージメントと似た言葉として「ワークエンゲージメント」という言葉があります。
ワークエンゲージメントは、「従業員と仕事」のみの関係性を示しており、熱意・没頭・活力の3つが揃っている状態を表します。ワークエンゲージメントが高い人は、仕事に誇りとやりがいを感じ(熱意)、仕事に熱心に取り組み(没頭)、仕事から活力を得ていきいきとしている(活力)状態であるということです。
従業員エンゲージメントは、仕事・組織文化・人間関係・やりがいなどあらゆる要素から構築されて、その結果として企業への愛着心や貢献意欲に繋がります。つまり、ワークエンゲージメントは従業員エンゲージメントを構成する要素の1つということです。
従業員エンゲージメントと従業員満足度の違い
よく耳にする「従業員満足度」と「従業員エンゲージメント」について同じ意味を持つ言葉だと認識している方も多いかもしれませんが、それぞれ異なった意味合いを持ちます。
先ほど述べたように、従業員エンゲージメントは従業員が企業へ愛着を持ち、双方向で業績向上に貢献しようとする意欲です。一方で従業員満足度は、従業員が労働環境や労働条件に対して満足しているかを図る指標のことを指します。
自発的に貢献しようとする意欲を持つ従業員エンゲージメントと違って、仕事内容や人間関係、給料、待遇、福利厚生などに対する満足度が高まっても、企業へ貢献したいという気持ちや成果には直結しないとされています。
従業員のエンゲージメントを高めるメリット
従業員エンゲージメントを高めると、企業や組織にどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
モチベーション向上
従業員エンゲージメントを高めると企業への貢献意欲や仕事に対するやる気が出て、従業員のモチベーションを向上させることができます。モチベーションが上がることで業務効率化や業績アップなどさまざまなメリットが期待できるため、従業員エンゲージメントを高めることは企業にとって必要不可欠です。
離職率低下
従業員エンゲージメントが高まると、従業員は企業に対して愛着心を持ち、「この会社で働き続けたい、貢献したい」という思いが強くなります。従業員エンゲージメントを高めることで優秀な社員の流出を防ぎ、離職率低下・定着率向上が期待できるでしょう。
組織活性化
組織内に高いモチベーションを持った人材が増えると、仕事に対する前向きな姿勢や自発的な行動が増えて組織の活性化に繋がります。従業員エンゲージメントを高めることは企業と従業員の関わりを深めるだけでなく、従業員同士のコミュニケーションを活発にし、組織風土がより良好になるというメリットもあります。
顧客満足度向上
従業員エンゲージメントが高まることで顧客に対するサービスの質が上がります。そして、顧客の満足度が向上すれば企業の売上や利益につながるため、さらにモチベーションが上がるという良いサイクルが期待できます。特にサービス業や接客業の場合、従業員エンゲージメントを高めることと顧客満足度の向上には強い結び付きがあると言えるでしょう。
業績向上
従業員エンゲージメントが高まると従業員一人ひとりが企業のために尽力するようになります。献身的に業務に取り組むためパフォーマンスも向上し、結果としてエンゲージメントが低い会社と比べて業績への良い影響がみられます。また、従業員エンゲージメントが高いままの状態を継続することで、企業全体が大きく発展していくでしょう。
従業員エンゲージメントを高めるためには
ここまで従業員エンゲージメントの意味やメリットについて解説してきましたが、実際にどのような対策を行えばいいのか、従業員エンゲージメントを高める方法をご紹介します。
アンケート(サーベイ)でエンゲージメントを測定する
従業員のエンゲージメントを高めるには、まず現状を把握して課題を洗い出すことが必要です。アンケート調査(サーベイ)を行ってエンゲージメントを数値化・可視化することで、さまざまな視点から課題を見つけることができます。また、その後も定期的にエンゲージメントを測定することで効果的な改善に活かせるでしょう。
リーダーがコーチングスキルを身につける
コーチングは双方向の対話を通して相手の能力を引き出すのに役立つスキルです。特に管理職やリーダーの立場にいる人は部下がモチベーションを高められるよう、傾聴力などのコーチングスキルを身につけて気付きを引き出してあげましょう。
コーチングを活かした対話によって従業員エンゲージメントを高めると同時に、信頼関係を築くことに繋がり、より良好な職場環境を構築することができます。
社員それぞれが自身の強みを活かして仕事をする
自分の強みを活かしている人は、仕事に対するエンゲージメントが高い傾向にあります。強みだと感じていることはその人にとって「好きなこと」や「得意なこと」である場合が多く、個々のやる気が引き出されます。「自分に合っている仕事だ」と自信を持つことができ、企業へ貢献したいという意欲も一層高まるでしょう。
社員それぞれが自身の強みを知るには、上司やリーダーが業務内容に対してフィードバックするなどして気付きを与えることが大切です。さらにその分野を強化すれば、エンゲージメントや生産性の向上に繋がるでしょう。
おわりに
働き方の価値観や、従業員が企業に対して求めていることが変化しつつある時代であるからこそ、従業員エンゲージメントは今後もますます重要性が高まっていくでしょう。従業員と企業間のエンゲージメントを高めることは組織内の現状を見直す良い機会にもなります。従業員エンゲージメントを高めて、さらなる企業の成長や発展に繋げましょう。