基本から解説!プロジェクトマネジメントとは何か。必要なスキル・資格は?

2023.08.25IT
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基本から解説!プロジェクトマネジメントとは何か。必要なスキル・資格は?

システムやアプリケーションの開発において、企業で行うような規模感であればチームを構成してプロジェクトを立ち上げて行うことが一般的です。そこで大切になってくるのが、プロジェクトの進め方、進捗の管理、上層部やクライアントへの状況報告などプロジェクトの成功に向けた管理を行う「プロジェクトマネジメント」です。本記事ではプロジェクトマネジメントについて、その概要から関連資格などを紹介します。

プロジェクトマネジメントとは何か

プロジェクトマネジメントとは何か

プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトの成功に向けてプロジェクトの推進を管理することです。多くの場合はQCD(※1)と利益の達成がプロジェクトの成功とされます。
システム開発プロジェクトにおいて、一定以上の規模がある場合、多人数で開発するのが一般的です。メンバーそれぞれに作業範囲を分割して業務に取り組みますが、機能の連結や作業の進捗などを管理しなければ、スムーズには開発できません。
そこで必要となるのが、プロジェクトにまつわる事柄を管理するプロジェクトマネジメントです。プロジェクトマネジメントの実施者は、主にプロジェクトマネージャーやPMO(※2)となります。

※1 QCD:Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)のシステム開発プロジェクトで重要視される三つの要素
※2 PMO:Project Management Officeの略で、プロジェクト管理の立場でプロジェクトに従事し、プロジェクトマネージャーのサポートを行うポジション。

プロジェクトマネジメントが役立つのはプロジェクトマネージャーだけではない

プロジェクトマネジメントが役立つのはプロジェクトマネージャーだけではない

プロジェクトマネジメントの技法は、プロジェクトをスムーズに進行させ、各工程での品質を担保するためのものです。しかしながらプロジェクトマネジメントを役立てることが出来るのはプロジェクトマネージャーだけではありません。当然ながら、開発者などのプロジェクトマネージャー以外のメンバーもプロジェクトマネジメントの知識を持つことで、よりスムーズにプロジェクトに取り組めます。
プロジェクトマネジメントは大きな仕事を細かく分割して管理する手法です。プロジェクトリーダーやメンバー、支援部門であっても、自身の業務に取り入れることで業務効率、品質の向上を図ることが可能となります。

プロジェクトマネジメントに必要なスキル

プロジェクトマネジメントに必要なスキル

プロジェクトマネジメントを行うにあたり必要となるスキルの中でも代表的なものについて記述します。

プロジェクトマネジメント手法への習熟

プロジェクトマネジメントには、これまでのシステム開発の歴史の中で確立されてきたプロジェクトマネジメントのための手法、技術が存在します。その対象は幅広く、進捗管理や品質管理、リスク管理など各分野について管理手法が存在しています。
また、単にプロジェクトの管理を行うだけでなく、収集した情報をもとにさまざまな角度から分析を行い、プロジェクトにおける品質を高めることもプロジェクトマネジメントの大きな目的の一つです。
体系的にまとめられた参考書などを参照して勉強するのも良いのですが、やはりプロジェクトに従事して実体験をしながら手法を身に着け習熟していくことが、スキルとして身に着けるための一番の近道です。プロジェクトマネージャーではなくとも、プロジェクトマネジメントの観点でプロジェクトに関わり、経験を積みましょう。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキル

システム開発プロジェクトにおいて、タスクをこなし、ドキュメントを作成し、プログラミングを行うといった実作業を行うのは、個々のメンバーという「人」です。極端に言えば、人と人との間の齟齬をなくし、スムーズにプロジェクトを進めることがプロジェクトマネジメントの1つの目的とも言えます。メンバーと円滑なコミュニケーションをとるための対人スキルは、当然必要な要素となります。

問題解決スキル

問題解決スキル

プロジェクトの推進にあたり、課題やリスクの発生は付き物です。この各種の問題を管理し、解決に向けて対応するのもプロジェクトマネジメントにおいて重要な仕事の1つです。プロジェクトにおける問題は、だれか1人が解決しなければならないものではなく、チーム全体で力を合わせて解決に向かえば良いものです。問題が発生しても解決に向けて導き、プロジェクトの目標達成へ舵をとることも、プロジェクトマネジメントに含まれます。

ビジネスの視点

ビジネスの視点

システム開発プロジェクトは多くの場合、企業における経営的な課題の解決を目的としています。クライアントの立場でも、システム開発ベンダーの立場でも、システム開発プロジェクトはビジネスであると捉え、QCDの達成および利益をあげることが必要であるという視点を忘れてはいけません。ビジネスとして有益であるようプロジェクトを推進する視点も、プロジェクトマネジメントには重要なスキルです。

システム開発技法、技術への習熟

システム開発技法、技術への習熟

プロジェクトマネジメントをする立場である場合、システム開発における実作業の各タスクレベルでのやり方が分かっていなければ管理はできません。システム開発における技法やITの技術への知見、習熟といったスキルを磨くことも、プロジェクトマネジメントを行う際には必要となります。IT技術は日々進歩していますが、その要点はプロジェクトマネジメントをする側もキャッチアップしていく必要があります。

プロジェクトマネジメントに関する資格

プロジェクトマネージャ試験(PM)

IPA独立行政法人情報処理推進機構の運営する試験として、プロジェクトマネージャ試験(PM)があります。システム開発プロジェクトにおける全体計画から予算、スケジュール、品質などの計画に基づいてプロジェクト推進を行うプロジェクトマネージャーとしての知識、スキルが問われる試験です。情報処理技術者試験の1つであり、情報処理の基本からプロジェクトマネジメントの実務レベルまで、幅広い知識が問われる資格です。

PMP®(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)

PMP®(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)

プロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute, Inc.)、通称PMIが資格認定を行うプロジェクトマネジメントに関する国際資格が、PMP®(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)です。PMIが策定した知識体系であるPMBOK®(Project Management Body of Knowledge)ガイドに基づく試験で、プロジェクトマネジメントに関する経験、教育、知識が問われます。プロジェクトマネジメントに関する資格として普及しており、ITおよび建築業界でデファクトスタンダードと認識される資格です。
PMP®資格は継続的な教育と職務能力の育成のため、資格取得後もCCR(Continuing Certification Requirements Program)と呼ばれるプログラムに継続的に参加し、3年間のCCRサイクルごとに更新手続きが必要となります。CCRサイクル間に最低でも60PDU(Professional Development Units)≒60時間相当の学習やサービスアクティビティを受ける必要があります。
2017年に公開されたPMIによる調査結果(Earning Power: Project Management Salary Survey 10th Edition)には、日本ではPMP®を持たないプロジェクトマネージャーと比べて、PMP®を持つプロジェクトマネージャーは年収が50万円以上も高い、というデータも掲載されています。国際資格ですが日本語で受験することができ、スキル、年収ともにアップを目指せるおすすめのプロジェクトマネジメント資格です。

おわりに

プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトの成功に向けて、プロジェクトの推進を管理することです。プロジェクトマネジメントは主にプロジェクトマネージャーが行いますが、メンバーや支援部門にもその管理手法は有用です。
プロジェクトマネジメントには、プロジェクトマネジメント手法への習熟、コミュニケーションスキル、問題解決スキル、ビジネスの視点、システム開発技法、IT技術への習熟などさまざまなスキルが必要です。プロジェクトマネジメントのスキルを示せる資格には、プロジェクトマネージャ試験、PMP®などがあります。

アイ・ラーニングでは、名実ともに有用な国際資格であるPMP®の資格取得対策講座のほか、多彩なプロジェクトマネジメント研修をご用意しております。経験や目的に合わせたコースを選択できるため、無駄なく効率的なスキル習得が可能です。

i-Learningのプロジェクトマネジメント研修・関連講座一覧はこちら
👉https://www.i-learning.jp/service/projectmngmnt.html

PMBOK® Guide,PMPは、プロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute, Inc.)の登録商標です。
株式会社アイ・ラーニングは、PMI®のAuthorized Training Partnerとして正式認定されています。

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