PMOとは?PMOの役割やPMとの違いについて解説
2024.07.26ビジネス大きなプロジェクトが決まった際、PM(プロジェクトマネージャー)だけでは、品質管理や進捗管理などを担うのが難しいケースがあります。
そこで、PMをサポートする「PMO」を配置することがあります。PMOとは、どのような役割があるのでしょうか。 この記事では、PMOの概要やPMOの役割、PMとの違いを解説します。
PMOとは?PMとの違い
PMO(Project Management Office)とは、チーム内でのプロジェクトをスムーズに進めるためにプロジェクトに関するマネジメントを総括するチームのことを指します。特定のプロジェクトを扱うのではなく、社内で動いているプロジェクトを全体的にマネジメントしていきます。
日本PMO協会では、PMOの役割を以下のように挙げています。
- プロジェクトマネジメント方式の標準化
- プロジェクトマネジメントに関する研修など人材開発
- プロジェクトマネジメント業務の支援
- プロジェクト間のリソースやコストの各種調整
- 個別企業に適応したプロジェクト環境の整備
- その他付随するプロジェクト関連管理業務
プロジェクトが大きくなると、PMの業務も増加し、負担がかかります。そのため、事務作業を行ったり、進捗を管理したりすることが難しくなります。PMOは、PMをサポートしてプロジェクトマネジメントを行う役割があります。
PMOとPMの違い
PMOは、PMと混合されることがありますが、それぞれ役割や立場が異なります。
まず、PMは個々のプロジェクトの総責任者のことを指します。特定のプロジェクトを総括して、進行がスムーズに進むよう意思決定を行う立場にあります。
一方で、PMOはPMがスムーズに動けるように、情報収集や進捗管理などのサポートを行う組織のことです。PMの意思決定をサポートするのがメインの仕事となります。
このように、PMOとPMは、立場や役割が異なります。
PMOの職種別の役割
PMOには、主に4つの職種に分かれます。ここでは、PMOの職種別に役割を解説します。
PM(プロジェクトマネージャー)
上述のとおり、PMは各プロジェクトの責任者のことで、プロジェクト全体のマネジメントを行います。PMは、品質管理や進捗管理、コスト管理など幅広い業務のほかに、プロジェクトの意思決定を行います。
PMOアドミニストレータ
PMOアドミニストレータは、PMO事務のことです。資料作成や進行管理、情報収集などの事務作業を主に行います。 PMが事務作業を行おうとすると負担がかかるため、PMOアドミニストレータが事務作業を行いPMの負担を減らす役割があります。
PMOエキスパート
PMOエキスパートは、各プロジェクトの環境整備やルール対策、品質の標準化、人材開発などを行う職種です。 プロジェクトが複雑化したり高度化したりすると、品質の維持が困難になります。PMOエキスパートは、収集した情報をもとに、ルールを決めたりプロセスの改善を行ったりすることで、品質の安定化を目指します。
PMOマネージャー
PMOマネージャーは、PMと近い存在で、マネジメント全般を行います。PMOのマネジメントやPMOメンバーの勤怠管理、教育などが主な業務です。PMOも組織となるため、これを管理するためのマネージャーが必要になります。
PMOを取り入れるメリット
プロジェクトにPMOを取り入れるとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、PMOのメリットについて解説します。
PMの負担を軽減できる
PMOは、PMをサポートするのが主な目的です。PMOは進捗管理や環境整備、資料作成などの業務を行います。PMの負担が減ることで、プロジェクトへ集中できるようになります。 そのため、PMOを導入するとPMの意思決定の速度と精度が向上します。PMOは、細かいケアも可能で、PMのプロジェクト総括や的確な判断がしやすくなるといったメリットがあります。
現状問題の可視化
プロジェクトの状況を知るためには、さまざまな視点からの管理情報が欠かせません。 PMOは、高い精度で進捗管理や課題管理、リスク管理などを可視化できます。プロジェクトを可視化することで、問題を未然に防いだり問題が発生した際は原因解明をスムーズに進めたりすることができます。
業務の効率や質の向上
次にPMOを導入するメリットとして挙げられるのが、業務の効率や質の向上です。PMOは、プロジェクトを円滑に進めるために、ルール対策を行ったりその定着を図ったりします。非効率的な業務を見直し、サポートしていくことで、プロジェクトメンバーの業務効率化や質の向上につながります。
PMOに必要なスキルとは
PMOには、どのようなスキルが必要になるのでしょうか。ここでは、PMOに必要なスキルについて解説します。
マネジメントスキル
PMOは、PMをサポートする立場としてプロジェクトマネジメントの他に、マネジメントスキルも求められます。
特にPMOマネージャーには、PMOメンバーを管理しなければなりません。マネジメントスキルが不足していると、PMOがうまく機能しない可能性があります。プロジェクトを円滑に進めるためにも、PMOにはマネジメントスキルが必要になります。 また、リスクの回避や低減のためにリスクマネジメントや、時間を有効に使い生産性を上げるタイムマネジメントといったスキルもあると良いでしょう。
コミュニケーションスキル
PMOはプロジェクト間の調整を行うことがあり、細かい立ち回りが求められるシーンもあります。信頼関係が求められることから、PMOはPMやプロジェクトメンバーなどと信頼関係を構築が必要です。これらの役割から、PMOにはコミュニケーションスキルが求められます。コミュニケーションスキルは、聞く力と伝える力が求められます。相手の話にしっかりと耳を傾け、意見や相談は拒否せず相手に寄り添う形でのコミュニケーションを取ることが必要です。
広い業務知識
PMOは、すべてのプロジェクトを総括していきます。さまざまなプロジェクトに関わっていくことから、幅広い業務の知識が必要となります。業務への理解を深めておくことで、各プロジェクトの人員が何を求めているのか理解しやすく、対応もしやすくなるでしょう。
システム開発等に関する知識
PMOは、システム開発に関わることも多いです。そのため、システム開発やITに関する知識を身につけることで、さらにPMやエンジニアへの理解を深めることができます。状況や課題などを洗い出すことができ、正確な対応ができるでしょう。
また、PMOに関する資格も多くあります。資格がなければPMOとして活動できないわけではありませんが、業務の役に立つため取得しておくと良いでしょう。
プロジェクトマネジメントに関するスキルを身につけるには
PMOには、マネジメントスキルやコミュニケーションスキルなどが必要となります。PMOとしての人材を育てるのであれば、研修等を導入し育成することがおすすめです。 アイ・ラーニングでは、プロジェクトマネジメントに関する研修をご用意しております。意思決定の質・スピードを上げるための研修や、プロジェクトマネジメントに関する知識を身につけることができる研修など学べます。PMOの育成にお役立てください。
プロジェクトマネジメント研修についてはこちら
https://www.i-learning.jp/service/projectmngmnt.html
アイ・ラーニングコラム編集部