コーチングとは?組織改革に活用できるコーチングスキルの効果
2024.06.13ビジネスコーチングは、相談者の気づきや課題解決能力の促す人材育成の方法の1つです。このコーチングには、さまざまな効果があり、組織改革にも活用できます。そのため、実際にチーム内にコーチングを取り入れたいと考える方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、コーチングの概要や組織革命に活用できるコーチングスキルの効果についてご紹介します。
コーチングとは
コーチングとは、目標達成に向けてコーチが支援を行うコミュニケーションの手法のことです。目標達成を促す手法として、ビジネスでも人材育成の一つとして活用されています。
コーチングでは、コーチが質問を通じて対話を進めていくことで、クライアント(コーチングを受ける側)が視野を広げ、課題に対する新たな気づきや解決策を見つけ出します。コーチングのコーチは、あくまでもクライアントのサポート役であり、解決方法を教えるのではなく解決する方法を生み出せるように導きます。
また、コーチングと似た言葉に「ティーチング」という言葉があります。ティーチングとは、管理者が部下などに豊かな知識や経験に基づいて目標達成へと導く手法を指します。コーチングとは異なり、ティーチングでは解決方法を明確に提示して解決に導く方法です。
コーチングに必要なスキル
コーチングは、方法を教えたりマネジメントしたりするわけではないため、コーチングに関するスキルが必要です。ここでは、コーチングに必要なスキルについて解説します。
傾聴力
傾聴力は、相手の話に耳を傾け、理解しようとする能力のことです。クライアント(コーチングを受ける側)の悩みや課題を聞いているときは、相手を否定したり口を挟んだりせずに、時には相槌を打つなどして聞き手に徹します。真摯にクライアントに向き合うことで、相手は信頼を持つことができ、話しやすくなります。
また、聞き手は表情や仕草などからも、相手の情報を読み取ることが大切です。表情や仕草から、どのくらい重要な悩みなのか、本音で話してくれているのかなどを確認することができます。
質問力
コーチには、質問力も必要です。質問力とは、クライアントが自ら気づきのチャンスを得られるような質問をすることです。クライアントが、質問されたことへの回答によって、自分自身が分析できるように質問します。
また、質問の際は相手に威圧感を与えないよう「なぜ(why)」を聞くのではなく、「何を(what)」を使うと良いとされています。
認める力
認める力とは、相手を認める行為のことで、コーチングでは重要なスキルです。コーチングでは、クライアントの長所を見つけたり、言葉や態度で伝わるように褒めたりします。ただ評価を伴う称賛だけではなく、相手が自分の変化に気づいたりこまめに声を掛けてもらったりすることで、存在が受け入れられていることを感じます。認められることで心理的安全性が保たれ、お互いの信頼関係を構築できます。
コーチングの資格
コーチングの際は、コーチの能力やスキルが重要です。コーチとして、専門的なスキルや知識を身につけるためにも、資格取得を行うと良いでしょう。
コーチングに関する資格は、すべて民間の資格で、スクールが発行する資格など団体・講座によって認定されているものとなります。ここでは、いくつかコーチングに関する資格についてご紹介します。
まず、コーチングの資格として挙げられるのが、一般社団法人日本コーチ連盟(JCF)が提供する認定コーチ資格です。日本で初めてのコーチング認定制度で、コーチングの基礎から応用までを学ぶことが可能です。
次に、国際コーチ連盟(ICF)が認定する国際的なコーチング資格があります。国際コーチ連盟では、アソシエイト・サーティファイド・コーチ(ACC)、プロフェッショナル・サーティファイド・コーチ(PCC)、マスター認定コーチ(MCC)の3つの資格を取得することができます。
社員のコーチングスキルを高めるメリット
社員のコーチングスキルを高めることで、さまざまなメリットがあります。
社員のリーダーシップ強化
コーチングスキルを高めることで、リーダーシップの発揮につながります。コーチングに関する知識を持っていると、社員の主体性を引き出すことができ、目標達成に導くことができます。
リーダーシップとは、目標に向けてグループをまとめて率いる力を指します。コーチングスキルを身に着けた社員は同時に良いリーダーになりえます。コーチングスキルを得ることで自立性が向上し、課題を解決できる力が育ち、次世代のリーダーを育てることが可能です。
コミュニケーション能力の向上
コーチングは、相手を不安にさせないよう、悩みや不安を聞き出すことが重要です。双方のコミュニケーションで成り立つ教育手法であることから、コミュニケーションが活発になります。そのため、コミュニケーション能力が欠かせません。コーチングスキルを身につけることで、相手からの聞き出し方や情報の読み取り方を身につけるため、コミュニケーション能力の向上も一緒に見込めるのです。
クライアントからの信頼につながる
コーチングスキルを高めることで、コーチングのクオリティが上がり、クライアント(コーチングを受け取る側)の信頼にもつながります。また、コーチングに関する資格を取得していると、専門性を一目で示すことができ、権威性が高まります。
組織のチームワーク強化
リーダー層のコーチングスキルが高まると、メンバーの主体性も高まり、組織のチームワーク強化につながります。また、各人がコーチングを通じて、自立や内省思考を確立させ、別の社員にも同じ用に対応できれば、自立したメンバーが多い強いチームをつくることができます。
組織全体でコーチングに取り組む効果
組織全体で、コーチングに取り込むことでさまざまな効果を見込めます。ここでは、組織全体でコーチングに取り組む効果について解説します。
協働関係の構築
コーチングは、クライアントのゴールに向かって、コーチとクライアントがお互いに協力し合いながら進めます。そのため、チーム内で協働関係の構築が可能になります。協働関係を構築することで、企業の生産性を高めることができ、成長を促すことができます。
企業の課題解決
コーチングは、埋もれていた課題の解決につなげることも可能です。特定の問題に集中してしまうと、認識していなかった課題が浮かび上がることがあります。コーチングによって、企業が抱えていた問題をピックアップができ、課題解決に向けて対策を行うことができます。
組織改革
コーチングによる人材マネジメントでは、会話を重ねていくことで自覚を促し、従業員一人ひとりが能力を引き上げることができます。それによって、従業員は成果を出し、組織全体にインパクトを与えてくれます。
コーチングに必要なスキルを習得できる研修コース
コーチングを行う際、コーチは相手から悩みや不安などを聞き出して答えを作り出すためのサポートを行うため、傾聴力や質問力、認める力といったスキルが必要です。さまざまなスキルを持っていることで、クライアントも安心して相談することができます。適切な信頼関係や協働関係の構築のためにも、コーチングに必要なスキルを習得することおすすめします。
アイ・ラーニングでは、傾聴力に関する研修や対話力シミュレーションなどコーチングに必要なスキルを習得できる研修を用意しています。コーチの育成を考えている方は、ぜひ研修の利用もご検討ください。
アイ・ラーニングコラム編集部
ビジネス・コミュニケーション研修はこちら
https://www.i-learning.jp/service/human/communication.html