CI/CDとは?アプリケーション開発・運用におけるCI/CDの活用

2024.06.28IT
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
アプリケーション

アプリケーション開発は、ソースコードの記述・修正、確認テストを繰り返し行い、検証されたアプリケーションを本番環境に反映してユーザーへ提供します。CI/CDはこの一連の作業を効率化し、スムーズに本番環境へ展開する仕組みとして多くの企業で導入が進んでおり、現在注目を集めている開発手法です。

本記事では、CI/CDの仕組みや役割、導入メリット、活用方法についてご紹介します。

CI/CDとは

コード

CI/CDとは、「Continuous Integration/ Continuous Delivery(またはDeployment)」の略称です。日本語にすると「継続的インテグレーション/継続的デリバリー」といい、アプリケーション開発におけるビルドやテスト、デプロイを自動化する開発手法です。
ソフトウェアやアプリケーションを開発するにあたり、本番環境に対応できる状態になるまで様々なテストを繰り返し実施する必要がありますが、これを手動で行うとなると長い時間とコストがかかります。そこで注目されているのが「CI/CD」です。CI/CDを導入することでサービス環境の不具合やコード変更が発生した場合に自動でテスト実行が可能となり、リリースまでの時間を短縮することができます。

「CI」の役割

システム開発において、開発者は修正したソースコードが正常に動作するかの確認テストを行い、問題がなければ共通のリポジトリに統合して不具合がないかを検証します。このビルドやテストなどの一連の工程を自動化するのがCI(継続的インテグレーション)です。大きな変更を一度に加えるのではなく、ビルドやテストを行ってから継続的に統合することで、プログラムの不具合やバグを早期に検出することができます。自動化されたビルド、テストによって開発者や開発チームは、アプリケーションの品質を保ちつつ効率的にプロジェクトを進めることが可能です。

「CD」の役割

CD(継続的デリバリー)は、継続的にアプリケーションを提供することを意味します。CIによって検証されたアプリケーションをリリースできる状態まで自動化することで、いつでも本番環境に反映しユーザーへ提供できるようになります。

また、CDには継続的デリバリーの他に継続的デプロイという意味も持ち、検証されたアプリケーションを本番環境に反映までの工程を自動化します。継続的デリバリーでは、開発者がリリースのタイミングを決めて提供しますが、継続的デプロイはシステムが修正・統合したコードを本番環境に展開し、人の手を介さずに自動でリリースまで行います。完全に自動化することで、新たなアプリケーションを継続的にユーザーへ提供することが可能です。

CI/CDを導入するメリット

事業にCI/CDを導入することでさまざまなメリットが得られます。

リリースまでの速度向上

CI/CDを導入することでアプリケーションにおける本番環境への工程の自動化が実現され、リリースまでの速度向上が期待できます。ソースコードを記述してテストし、リリースまでの作業を手動で行うと数カ月以上かかることも少なくありません。そこでCI/CDを活用すれば、ビルドやテスト、デプロイといった工程が自動化され、作業時間を短縮することが可能です。リリースまでの速度が上がることは、その分開発サイクルを回すことができ、効率的にプロジェクトを進められることが期待できます。

コード品質向上

CI/CDを導入してコードチェックを自動化することで、これまで手動で行っていた分の業務工程が削減されて生産性の向上に繋がります。コードチェックはアプリケーションの品質向上のために必要な作業ですが、全てのコードを目視だけでチェックするには膨大な時間と手間がかかります。確認漏れがあれば後々大きな問題に発展する可能性もあるでしょう。これをCI/CDで自動化することで、変更されたコードに不具合はないか、一定の基準を満たしているかを正確かつ迅速にテストされ、開発段階におけるコードの品質を高められるのも大きなメリットです。

バグの検出・修正が可能

どのような状況下でも、本番環境までの各段階でバグが潜んでいるリスクはゼロではありません。CI/CDによってソースコードが正常に動作するかのテストを自動で繰り返し行うことで、手間をかけずにバグの早期発見と修正が可能となります。テストの段階でバグを検出して素早く開発者へフィードバックできれば、リリース後に大きな問題になることなく、他の部分に影響を与えずに修正を行えます。

事業開発にCI/CDを活用するには

事業開発にCI/CDを導入し、効率的に活用するために以下の基礎知識を理解しておくことが必要です。

クラウドネイティブにおける基礎知識:クラウド環境でのアプリケーション開発や運用に関する理解
クラウドネイティブは、インターネット経由で利用できるクラウドサービスを使ってアプリケーションを作る方法です。クラウドネイティブ環境では、必要に応じてリソースを迅速に追加できるため、CI/CDパイプラインが効率的に動作します。

アプリケーション開発における知識:プログラミングやソフトウェア開発の基本知識
アプリケーションを作るには、プログラミングの基本や、コードを効率よく管理する方法を知っておくことが重要です。CI/CDでは、リポジトリへのコード変更をトリガーに自動ビルド・デプロイが行われるため、効率的なコード管理が重要です。

システム運用における知識:システムの監視やメンテナンスに関する知識
システムがきちんと動いているかを常にチェックし、問題があればすぐに対応するための方法を理解しておくことで、CI/CDパイプラインのパフォーマンスと可用性をリアルタイムで監視することができます。

DevOpsの本質:開発と運用の連携をスムーズにするためのアプローチや文化の理解
DevOpsは、開発と運用が協力して効率的に仕事を進める方法です。開発と運用のスムーズな連携により、CI/CDパイプラインの設定や運用においてもスムーズなコミュニケーションが図られ、問題の早期解決が可能になります。

など

DevOpsとは

DevOpsとは、開発チームと運用チームの連携をスムーズにし、アプリケーションのリリースを素早く効率的に行う手法です。コード変更の統合やテスト、リリースまでを自動化するCI/CDを取り入れることで、開発と運用のサイクルがスムーズになり、アプリケーションのリリースを迅速に展開できます。これを踏まえてCI/CDは、DevOpsにおける開発体制を実現させるためにも必要不可欠なアプローチ方法であり、多くの企業で導入されています。

アプリケーション開発・運用に不可欠なCI/CDの知識を学ぶには

クラウド

CI/CDを導入することで、アプリケーション開発におけるビルド、テスト、デプロイなどの工程を自動化し、リリースまでの速度向上やコード品質向上などが実現できます。CI/CDに関して正しく理解してアプリケーション開発・運用に取り入れていくことで、開発チームの業務効率化や生産性向上が期待でき、さらにビジネスの価値を高めることができるでしょう。

アイ・ラーニングでは、今後もさらに事業開発での活用が広がっていくことが考えられるCI/CDの本質について学べる研修を用意しています。クラウドネイティブの基礎知識を身につけたい、アプリケーション開発や運用での導入を検討している担当者さまはお気軽にご相談ください。

ITスキル研修はこちら
https://www.i-learning.jp/service/it.html

アイ・ラーニングコラム編集部

【他社事例から学ぶ】自社のDX推進を成功に導くために

DX時代をけん引する人材を育てるための戦略

  • このエントリーをはてなブックマークに追加