マーケティングに役立つデータ分析手法5選!分析のメリットや手順も解説

2023.08.23IT
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
マーケティングに役立つデータ分析手法5選!分析のメリットや手順も解説

マーケティングの精度を高める上で、データ分析は欠かせません。顧客のニーズを読み解き、提供すべき価値を正確に見極めるためには、実績データをもとに検討する必要があるからです。

特に近年では、顧客のニーズが多様化するとともに変化するスピードも加速しており、データ分析の重要性が増しています。そこで今回は、マーケティングにおいてデータ分析をする意義や手順、効果的な手法などのポイントについて解説します。

マーケティング部門におけるデータ分析とは

マーケティングとは、市場のニーズにマッチする商品・サービスの開発や提供の仕方をすることによって、効果的に消費者の購買活動につなげるための取り組み全般のことです。

マーケティングには、大きく分けて次の3ステップがあります。

マーケティングの主な流れ
① 顧客のニーズを把握
② 目標の設定
③ 広告宣伝

データ分析は、特に「①顧客のニーズを把握」に深く関係します。つまりデータ分析はマーケティング施策の方向性を左右する、重要な要素です。

データ分析の重要性

近年、マーケティングにおけるデータ分析の重要性は、以前にも増して高まっています。

グローバル化やSNSなどの普及によって、ニーズが多様化するとともに、変化するのも早くなっているためです。複雑化したニーズを正確につかむには、データ分析による現状把握が欠かせません。

また、IT技術の進展に伴いビッグデータの活用が進んだことで、データを活用する意義が増していることも、重要性が増した理由の一つと言えるでしょう。

マーケティングのためにデータ分析をするメリット

マーケティングのためにデータ分析をするメリット

マーケティングにデータ分析を取り入れることには、次のようなメリットがあります。

マーケティングにデータ分析を取り入れる主なメリット
  • 現状把握につながる
  • 顧客像の明確化ができる
  • PDCAに役立つ

以下で、各メリットについて、もう少し詳しく見てみましょう。

現状を正しく把握する

データ分析は、マーケティングに欠かせない、現状の正確な把握に有効です。
顧客の購買行動に関する最近の傾向や、競合他社の動向、市場の売り上げの推移といったデータを分析することで、現状の市場で売れる商品・サービスの把握ができます。

さらに、現在の動向を正しく分析することで、将来的にどのようにニーズが変動していくか、精度の高い予測をすることもできるようになるでしょう。

顧客像を明確にする

マーケティングでは、ターゲットとする顧客像を明確にすることで、より効果的な戦略が立てやすくなりますが、この顧客像の明確化にもデータ分析は役立ちます

例えば、顧客が購入に至った過程や、見込み客にとどまるケースとの違いなどを分析することで、その特性や傾向を具体的に把握することができるからです。これによって、潜在的なニーズまで明確化させられるようになるでしょう。

PDCAの精度を高める

マーケティングにデータ分析を取り入れることで、PDCAサイクルを効果的に回せるようになります。

マーケティングの効果などを分析することで、気付いていなかった問題点やビジネスチャンスを、発見しやすくなるからです。分析結果を踏まえて改善をはかっていくことで、さらに効果的なマーケティングができるようになるでしょう。

データ活用のステップ

マーケティングでデータを有効活用するには、次の4つのステップで進めるとスムーズです。

データ活用のステップ
【ステップ①】分析目的の設定・仮説立案
【ステップ②】データの整理・統合
【ステップ③】データ分析
【ステップ④】マーケティングへの活用

以下では、各ステップの具体的な内容を説明していきますので、参考にしてみてください。

分析目的の設定・仮説立案

まず、何のためにデータ分析を行うのかを明確にし、目的を設定します。分析の方向性を定めることで、どのようなデータが必要なのか、最も効率的な方法がどれなのかが見えてきます。
現状の業務課題の中から特に重要なものや、原因が特定できていないものを選び、目的に落とし込むと良いでしょう。

目的設定時には「このような結果になるのではないか」といった仮説も立て、記録をしましょう。仮説に基づいて分析を行うことで精度が上がるほか、データ分析後に仮説と実際の結果との差異を見ることで、現状把握が適切にできているかどうかを知ることができます。

データの整理・統合

データ分析の精度を上げるために、分析を始める前にデータの整理・統合を行いましょう。

分析目的に不要なデータや不正確なデータが混ざっていると、正しい分析結果が出せなくなるからです。また、分析するデータ量は多ければ多いほど、精度の高い結果を得やすくなります。

社内にデータを分散して保管している場合は、あらかじめ同じフォーマットに集約し、使えるデータを選別しておくことが大切です。

データ分析

データの整理・統合が終わったら、データ分析をしていきます。このときポイントとなるのが、分析の目的に合った手法を選ぶことです。

データ分析手法にはさまざまな種類があり、手法によって分析できる内容や得られる結果が異なるためです。
最適な手法を選ぶためにも、あらかじめ、どういった目的で分析するのかを明確にしておきましょう。

マーケティングへの活用

分析結果が得られたら、マーケティングへ活用します。ここで注意すべきなのが、一度の分析で必ずしも思うような結果が得られるとは限らない点です。データ分析の方向性が誤っている場合もありえます。

そのため、データ分析結果を活用して施策を実行した後は、PDCAサイクルを回し、継続的に改善を図っていく必要があります。データ分析の活用と改善を繰り返すことで、有効なマーケティングができるようになることを、念頭に置いておきましょう。

マーケティングのためのデータ分析手法5選

ここでは、マーケティングで使いやすいデータ分析手法の代表例について、概要や活用例をご紹介します。

セグメンテーション分析

セグメンテーション分析とは、年齢・性別・職業・行動パターンなど顧客の属性でグルーピングをする分析手法です。
自社商品のニーズ傾向を測るのに役立ちます。

RFM分析

Recency(最終購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)の3つの視点から顧客を分析する手法で、それぞれの英単語の頭文字をとってRFM分析と呼ばれます。
顧客を購入データに基づいてグループ分けするため、収益アップに適した施策を検討する際に向いている分析手法といえます。

ABC分析

ABC分析は、重点ポイントを一つ決め、そのポイントを基準にAランク・Bランク・Cランクに分類し分析する手法です。重点分析とも呼ばれます。
売り上げの分析や仕入れの優先度などを検討する際に活用されます。

クロス集計分析

クロス集計分析は、アンケート結果の分析に適しているデータ分析手法です。年代と購入した商品のジャンルなど、複数の項目間の関係性を分析することができます。
分析結果は、需要の予測などに役立てることができるほか、集計結果を記事化して広報活動やコンテンツマーケティングに用いられることもあります。

アソシエーション分析

アソシエーション分析とは、複数の購買データの類似性や関連性を見出す分析手法です。膨大な量のデータの中から、データマイニングによって意外なデータ同士の関連性を見つけることができます。
有名な例として、乳幼児用のおむつとビールが同時に購入されることが多いという分析結果が挙げられます。育児用品とアルコール飲料は一見関連性がないように思えますが、分析結果を元に推測を進めると「父親が仕事帰りなどのタイミングでおむつを購入する際に、一緒にビールを購入しているのではないか」といったニーズが見えてきます。
小売業やインターネット通販などの業種で、販売促進や広告の方向性を決める際によく用いられています。

マーケティング部門でのデータ分析を成功させるには

マーケティング部門でのデータ分析を成功させるには

マーケティング部門でのデータ分析を成功させるには、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

目的を明確にする

マーケティングでデータ分析の活用を成功させるには、分析する目的を明確にすることが重要です。

分析の目的によって、集めるべきデータや用いるべきデータ分析の手法は異なるからです。何となく手元にあるデータを分析してみても、時間ばかりがかかり、めぼしい成果にはつながらないでしょう。

データ分析をすること自体が目的化しないよう、「分析結果をどのように活用したいのか」を事前に決めておくことが大切です。

データ分析の基礎知識を身につけてから行う

データ分析に着手する前に、データ分析について基礎知識を身につけておくことをおすすめします。これは、基礎知識がないと効率的でない手法を選んだり、誤った分析をしてしまったりする可能性が高くなるためです。
分析の専門知識までは不要ですが、基本的な考え方は学んだ上で実践したほうが分析を効果的に活用でき、成果を上げやすくなります。

まとめ

データ分析は、今やマーケティングを行っていくにあたり欠かせないものとなっています。データ分析を活用することで、より効率的に、成果につながりやすいマーケティングを行うことができるようになります。

ただし、データを正しく分析するためには、手順や押さえるべきポイント、データ分析に関する基礎知識などを把握しておくことが必要です。
データ分析の基本をしっかり身につけた上で、マーケティングに活用していきましょう。

i-Learningのデータ分析の基礎に関する研修のコース詳細はこちら
👉【現場でデータ活用シリーズ】データ活用入門~活用ストーリーと演習で学ぶ e-ラーニング
👉【現場でデータ活用シリーズ】データ活用基礎~ケーススタディとワークショップで学ぶ
👉演習で学ぶデータサイエンティスト基礎

i-Learningのデータ×AIスキル 習得プログラムの詳細はこちら
👉https://www.i-learning.jp/service/it/machinelearning.html

【他社事例から学ぶ】自社のDX推進を成功に導くために

DX時代をけん引する人材を育てるための戦略

  • このエントリーをはてなブックマークに追加