SDGsに企業が取り組むメリットとは?SDGsをビジネスにつなげる方法

2023.08.23ビジネス
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SDGsに企業が取り組むメリットとは?SDGsをビジネスにつなげる方法

近年「SDGs」という言葉を耳にすることが増え、ビジネスに携わる上でその意味や内容を理解することが重要になってきました。今回はこれからSDGsの取り組みをはじめたい人や取り組みを強化したいと考えている方に向けて、CSRやESGとの違いや関連性、企業がSDGsに取り組むメリット、取り組みやすい事例などをご紹介します。

SDGsとは

SDGs(Sustainable Development Goals)は2015年の国連サミットで採択された2030年を達成年とする世界共通目標のことで、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。SDGsは17のゴールと169のターゲットを軸に構成されています。

グローバル化した社会において、気候変動への対応やエネルギー・資源の有効活用、貧困や飢餓の終焉、不平等の解消などは一つの国だけの努力で解決できる問題ではなくなってきました。政府主導の取り組みや国家間の協力はもちろんのこと、企業や自治体、教育研究機関、市民一人ひとりが地球規模の課題を認識し解決に向けて行動することが不可欠です。その行動をする際の共通認識となるのがSDGsです。

SDGsとCSR、ESGとの違いと関連性

SDGsに関する話題の中でよく耳にする用語に「CSR」や「ESG」があります。

「CSR」はCorporate Social Responsibilityの略語で「企業の社会的責任」を意味します。企業活動は時に法律や倫理違反、環境破壊、人権問題などを引き起こすことがあります。CSRの観点では、企業はガバナンス体制の整備、コンプライアンス遵守、安全な職場環境の整備、取引先との健全な関係構築、誠実な消費者対応、環境への配慮、社会貢献活動などを通じて、あらゆるステークホルダーに対して責任を持つことが重要とされています。

「ESG」はEnvironmental Social Governanceの各頭文字を取った用語で「環境・社会・企業統治(ガバナンス)」を意味します。気候変動や労働者の人権問題など企業活動をとり巻く課題が顕在化するなか、企業の長期的な成長にはESGの3つの要素が重要なポイントになると考えられており、投資家が投資先企業を判断する際、財務諸表など従来の企業価値基準に加えてESGの視点が取り入れられはじめています。ESGは国連の「責任投資原則(PRI)」で提唱され、このESGの要素を取り入れた投資は「ESG投資」と呼ばれます。

SDGs、CSR、ESGのいずれも目指す方向性は「地球環境や社会をより良くする」という点で共通していますが、SDGsは政府、自治体、企業、教育機関、市民など地球上のあらゆる人に関わるものであるのに対し、CSRは企業を主体とするもの、ESGは投資家または投資を受ける側の企業に関わるものという違いがあります。

SDGsに企業が取り組むメリット

SDGsが掲げられた2015年からの数年間はSDGsの認知や浸透を図る段階でしたが、2020年以降はSDGs達成に向けた『行動の10年』として実践的なフェーズを迎え、現在はそれぞれの立場でできることを考え行動する段階へ進んでいます。 企業によるSDGsの取り組みが活発化する一方、限られた予算や人材リソースの中で新たにSDGsに取り組むことを負担に感じる企業も少なくありません。

自社の持つ強み、知識、技術、人材などを活用し、ビジネスとしてSDGsに取り組むことによって得られるメリットをご紹介します

企業価値・企業イメージの向上

投資家や金融機関が投融資先の評価・判断をする際、企業のSDGsへの取り組みを重視するケースが増えています。そのため、今からSDGsに取り組むことは将来の資金調達で有利になるなど企業の成長機会の創出につながる可能性があります。
また、SDGsの取り組みを自社サイトやプレスリリース、SNSなどで発信することで、企業イメージの刷新や信頼性の向上につながるなどの効果が期待できます。

幅広い人材の確保

幅広い人材の確保

従業員の待遇、顧客や消費者への誠実な姿勢、男女差のない公平な評価、事業の成長性、企業理念などは、就職活動をする学生や転職先を探す人にとって職場選びの大切なポイントです。
SDGsにはジェンダー平等や働きがい、経済成長などの視点も盛り込まれており、人材確保の重要な要素と繋がるものがあります。SDGsの取り組みを採用サイトなどで公開することで、企業の信頼性やイメージが高まり、人材確保につながるというメリットが考えられます。

事業機会の創出

SDGsの視点で事業の見直しをしたり、商品・サービス開発をしたりすることで、従来思いつかなかったアイデアが生まれ、新たな事業につながる可能性があります。また環境・社会に優しい製品やサービスを選びたいと考える顧客や消費者が増えているため、SDGsの達成に繋がる視点を取り入れた商品開発をすることで、新たな顧客層を開拓できるかもしれません。

中には、取引開始時に環境や社会に配慮しているかを聴取するケースもあります。SDGsに取り組んでいれば、環境・社会への貢献意識が高い企業ともスムーズに取引を進められるでしょう。

企業が取り組めるSDGsの例

企業が取り組みやすいSDGsに関する活動にはどのようなものがあるのか、見てみましょう。

リサイクル原料・代替製品の活用

プラスチックや紙をリサイクルしたものや、代替製品を活用することは「目標12:つくる責任つかう責任」への貢献になります。新たに製品を開発する際は、設計段階から廃棄の出ない(または少ない)デザインやオペレーションを検討することで、製品ライフサイクルを通じた省資源化につながります。

ICTツール活用による業務効率化

業務のデジタル化を通じて業務効率化を図ることは「目標8:働きがいも経済成長も」の実現に関わります。オンライン会議の導入は通勤・出張費削減などコストメリットがあるほか、ペーパーレス化など環境配慮面の効果が期待できます。

女性活躍を推進する制度や研修の実施

女性活躍を推進する制度や研修の実施

「目標5:ジェンダー平等を達成しよう」を実現するため、女性管理職の割合を増やしたり、産休・育休からの早期復帰を支援したりすることも、企業ができるSDGsへの取り組みのひとつです。
性別や婚姻歴に関わらず平等に昇進機会を与えることや、女性リーダーならではの悩みや課題を解決するための社内制度整備や研修実施はもちろん、男性の育休取得を推進することも社会全体の女性活躍推進へつながります。

まとめ

ビジネスの中でSDGsに取り組むことで、ボランティアのような善意で成り立つ一時的な活動ではなく、事業として持続的に収益を生み出しながら社会や環境をより良くすることができます。
自社の強みや特徴を生かしたSDGsの取り組みをしていくためには、まずSDGsとビジネスのつながりをよく理解する必要があります。SDGsの17目標・169のターゲットと自社の事業内容を照らし合わせて関連性を見つけ、自社と社会がともに豊かになる未来を描くことからはじめてみましょう。

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