社会人基礎力とは?その必要性や鍛え方などを解説

2023.08.23ビジネス
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社会人基礎力とは?その必要性や鍛え方などを解説

仕事をする上でも大切だといえるのが、社会人としての能力です。しかし、企業側とこれから就職を控える学生には、求めている能力に違いがあるのではといわれてきました。そこで、経済産業省が企業と学生間の認識の違いを埋めるため、2006年に「社会人基礎力」という概念を提唱しました。
さらに、近年では人生100年時代ともいわれていて、階層別にキャリア開発が必要とされています。そのため、社会人基礎力は新人だけではなく中間層にも必要だと考えられるようになってきています。
今回は、その社会人基礎力について、必要性や鍛え方を解説します。

社会人基礎力とは

社会人基礎力とは

社会人基礎力とは、さまざまな人と仕事をしていく上で必要な基礎力のことです。社会人基礎力の概念は、2006年に経済産業省が提唱しています。
その社会人基礎力は「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」から成り立ち、この3つの要素は12個の能力要素で構成されています。

3つの要素と12の能力要素

社会人基礎力に必要とされる3つの要素と12の能力要素について、詳しくご紹介します。

「前に踏み出す力(アクション)」

前に踏み出す力(アクション)

前に踏み出す力とは、一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力のことをいいます。指示されることを待つのではなく、物事を能動的に捉えて自ら行動できるようになることが求められています。
前に踏み出す力に必要となる要素は3つです。

  • 主体性
    主体性とは、物事に進んで取り組む力のことです。
  • 働きかけ力
    他人に働きかけ巻き込む力のことを指します。周囲に呼びかけ、目的に向かって周りにいる人たちを動かしていきます。
  • 実行力
    目的を設定して確実に実行する力のことを実行力といいます。自分で目標を設定し、失敗を恐れずに行動し、粘り強く取り組む姿勢のことです。

「考え抜く力(シンキング)」

考え抜く力(シンキング)

考え抜く力とは、何事にも疑問を持って考え抜く力のことを指します。改善をするために、課題を見つけて、課題解決のためにプロセスを考えることです。考えるだけではなく、納得がいくまで考え抜くことができる自律的な考え方が求められます。
考え抜く力に必要な要素は下記の通りです。

  • 課題発見力
    現状を分析し、目的や課題を明らかにする力のことを指します。目標に向かって、自分から問題を解明し、提案していく力のことです。
  • 創造力
    新しい価値を生み出す力のことを創造力といいます。これまでの考えにとらわれず、課題に対して適切な解決方法を考えられるようにすることです。
  • 計画力
    計画力とは、課題解決に向けたプロセスを明らかにして準備する力のことです。解決に向けた複数のプロセスを明確にし、その中で最善のものは何かを見つけて、それに向けて準備することです。

「チームで働く力(チームワーク)」

チームで働く力(チームワーク)

社会人基礎力として、さまざまな人とグループ内の協調性だけにとどまらず、多様な人々とのつながりや協働力を生み出す力が求められています。
チームワークに必要となる要素は、下記の6つです。

  • 発信力
    発信力とは、自分の意見を分かりやすく伝える力のことを指します。自分の意見を分かりやすく整理した上で、相手に理解してもらえるように伝えることです。
  • 傾聴力
    傾聴力とは、相手の意見や話を丁寧に聴く力のことです。相手が話しやすい環境を作り、適切なタイミングで質問するなど相手の意見を引き出せるように心がけます。
  • 柔軟性
    意見の違いや、立場の違いを理解する力を指します。自分の中にあるやり方や考えに固執するのではなく、相手の意見などを尊重して柔軟に理解することです。
  • 情況把握力
    自分と周囲の人々や物事との関係性を理解し把握する力のことをいいます。チームで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たすことができるか把握することです。
  • 規律性
    規律性は、社会のルールや人との約束を守る力のことです。社会ルールにのっとって、自らの発言や行動を適切に律することを指します。
  • ストレスコントロール力
    ストレスの発生源に対応する力のことを指します。ストレスを感じることがあっても、成長の機会だと思って、力を抜いて対応することです。

2018年の再定義で追加された3つの視点

2018年の再定義で追加された3つの視点

人生100年時代とも呼ばれる現代において、新たな社会人基礎力が発表されています。
どの年代層でも活躍し続けられるような内容へと更新されていて、新たに3つの視点が提唱されました。

  • 【学ぶ】何を学ぶか
    学び続ける力を学ぶことです。何を学んでいくのかを考えることが学びの出発点であることを意識して、人生100年時代とも呼ばれる現代で、大人の学びのあり方を追求していくことが必要であるという考えです。
  • 【統合】どのように学ぶか
    自らの視野を広げて、たくさんの体験・経験や、能力、キャリアを組み合わせ、目的を実現させるために統合させることです。持ち寄って価値観を創出するために考え抜く力や、チームで働く力がとても大切になります。
  • 【目的】どう活躍するか
    自己実現や社会貢献に向けて行動することが必要とされています。価値のある創出に向けた行動を施すための力として、「前に踏み出す力」がより大切になります。

恒久的に磨くスキルが社会人基礎力

恒久的に磨くスキルが社会人基礎力

これまでは、大学生や新入社員などの若年層に対して、社会人基礎力を身につける必要があるといわれてきました。しかし、新しく提唱されている社会人基礎力は、就学前から中高年の社会人に至るまで幅広い年代を対象としています。
人生100年時代とも呼ばれるようになり、人生を過ごす時間が長くなってきました。そのため、人生モデルが変化し、幅広い年齢層においてキャリアを再設計させることが必要となってきているのです。
新たな人生モデルに対応するためには、新入社員だけが社会人基礎力を身につけるのではなく、すべての階層においてスパイラル状にレベルアップすべきものと考えられます。

社会人経験を重ねるに従い、考え抜く力やチームで働く力は経験というフィルタにかかった状態で発揮されますが、社会人基礎力として求められるスキルを正しく理解し、レベルアップし、発揮することが未来の企業を創る力となります。

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社会人基礎力の鍛え方

どの世代にも必要とされている社会人基礎力。ではその基礎力はどのようにして鍛えていくべきなのでしょうか。

自分を客観的に見て自己分析をする

自分を客観的に見て自己分析をする

まず、自分の中にある社会人基礎力を客観的に認識するところからはじめる必要があります。自己分析を行い、自分に足りていること、不足していることを判断し、何を鍛えるべきなのかを掴みましょう。
自身の社会人基礎力を客観的に見るには、社会人基礎力診断の活用をおすすめします。診断を利用することで、適切なフィードバックを受けることが可能です。自分をより客観的に見ることができるので、社会人基礎力診断など第三者による目線から自己分析を行いましょう。

日頃の生活で社会人基礎力を意識する

自分が持っている社会人基礎力を明確にして把握したら、自分の得意分野を伸ばし、不得意な部分は改善するように努めていきましょう。これは、日頃の生活で意識して行動することが大切です。

個人の育成を支援する

個人の育成を支援する

現代では、社会人基礎力を身につけるために、企業も育成の担い手になることが要求されてきます。社員一人ひとりのキャリア志向にあった人事施策や、社員が周りと協力して活躍し続けられるような環境整備などが必要です。社員一人ひとりの育成を支援することで優秀な人材を育成でき、企業としても成長していくことでしょう。

おわりに

今回は、社会人基礎力についてご紹介しました。
社会人基礎力は、どのような仕事をしていく上でも必要となる能力です。社会人基礎力を身につけることで、仕事をスムーズに進めることはもちろん、チームのコミュニケーションも良好になります。
自分の能力を把握し、改善や学習に取り組むことで、社会人基礎力を向上させていきましょう。

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