Society 5.0/第四次産業革命とは?実現のために必要なこと

2023.08.23お役立ち情報
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Society 5.0/第四次産業革命とは?実現のために必要なこと

Society 5.0や第四次産業革命について、テレビや新聞などのメディアで目にする機会が増えてきていませんか。
Society 5.0や第四次産業革命と聞いて、世の中がどのように変わるのか? 自分に関係があることなのか? などの疑問をお持ちの方も多いかもしれません。
そこで今回は、Society 5.0と第四次産業革命についてご紹介します。

Society 5.0/第四次産業革命とは

Society 5.0/第四次産業革命とは

はじめに、Society 5.0と第四次産業革命の言葉の意味について見ていきましょう。

Society 5.0(ソサエティ5.0)について

Society 5.0とは、ソサエティ5.0と読みます。Society 5.0は、日本政府が策定した第5期科学技術基本計画で提唱されている社会システムのことです。
Society 5.0を実現することで、IoTやAI、ロボットなどの新たな技術を日常や産業などに取り入れ、一人ひとりが活躍できる社会、課題を克服できる社会が目指せるとされています。

「狩猟社会=Society 1.0」「農耕社会=Society 2.0」「工業社会=Society 3.0」「情報社会=Society 4.0」につづく、5番目の社会システムであることから、「5.0」となります。

また第5期科学技術基本計画では、Society 5.0について、「超スマート社会」を実現する取り組みであると位置付けています。
超スマート社会とは、「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会」のことです。

第四次産業革命について

第四次産業革命について

第四次産業革命とは、IoT・AI・ビックデータを使うことにより起こる製造業のイノベーションのことを指します。

第四次産業革命が起こる前は、3つの産業革命が起こっています。
蒸気機関により工業化が進んだことで起こった第一次産業革命。ものづくりが、人の手から機械へと移転したことにより起こった変革です。
電気・石油エネルギーを活用した重工業が発展。輸送手段の変革により起こったのが第二次産業革命です。
第三次産業革命は、コンピューターとインターネットの普及により起こった経済発展のことをいいます。工場生産にも、コンピューターを利用することで、効率的に大量生産ができるようになったのです。
そして、現在は、IoT・AI・ビックデータを活用することにより起こる第四次産業革命に注目されています。

Society 5.0と第四次産業革命の関係性

Society 5.0は、第四次産業革命で掲げられている技術革新に着目して、あらゆる産業や日常に取り込み、日本社会の課題解決を実現するものです。

ただし、第四次産業革命とSociety 5.0は、目的とするものが異なります。第四次産業革命は製造業に特化していますが、Society 5.0は社会の仕組みのことを指しています。

Society 5.0の実現により可能になること

Society 5.0の実現により可能になること

これまで集められてきた大量の医療データ、健康データなどを活用し、病気の早期発見や適切な治療方法の提案が実現可能です。誰もが健康的に、質の高い生活を送ることができるようになり、元気で自立した生活を送れる「健康寿命」を伸ばすことにつながります。

自動運転によりドライバー不足の解消でき、移動がスムーズに

自動運転が普及することで、渋滞や交通事故を大幅に減らすことが可能です。人や荷物をスムーズに運んでくれます。住み慣れた地域での生活を維持することができるでしょう。

製造工程でのムダの削減につながる

製造工程でのムダの削減につながる

日々の暮らしや嗜好に合わせて、必要なものが必要な分だけつくられ、必要なときに届くようになります。必要な分だけ製造されるため、ムダを減らすことができます。持続可能な社会の実現に役立ちます。

インフラが整備され、災害に強い町づくりができる

道路や建物にセンサーをつけることで状態をいつでも把握することができます。災害時には、危険な場所を察知。ドローンやロボットが安全な場所へ誘導してくれます。

金融機関での手続きのコストが削減できる

生体認証を利用した認証技術を利用してキャッシュレス・カードレスで世界中どこでも買い物ができるようになります。個人の行動記録を利用してすぐに与信ができるようになるため、投資や融資も身近になるでしょう。

Society 5.0を支える技術

Society 5.0を支える技術

Society 5.0を支える技術1:IoT

IoT(Internet of Things)とは、モノのインターネットという意味があります。あらゆるものをインターネットでつなげ、情報交換を行い最適な制御を実現する仕組みです。
パソコンやスマートフォンだけではなく、家電や建物、車なども対象となります。IoT化が進むことで、離れた場所にあるものを監視することや、スマートデバイスとモノを連携させて遠隔操作ができるようになります。

Society 5.0を支える技術2:AI

Society 5.0を支える技術2:AI

AI(Artificial Intelligence)とは、人工知能のことです。一般的に、知能を持った機械を人工的につくることを指します。
AIは、コンピューターにより大量のデータを学習し、さらにそこから予測される結果を導き出すことができます。最近では、より高度な判断ができる機械学習やディープラーニングといったAIの技術が利用されています。

医療であれば、大量の病気や治療のデータをAIが学習することで、最適な治療法の提案ができるようになります。製造については、需要のあるものを日々の暮らしや嗜好などさまざまなデータから導き出すことができます。

Society 5.0を支える技術3:ビッグデータ

ビッグデータとは、「データの量(Volume)」「データの種類(Variety)「データの発生頻度・更新頻度(Velocity)」この3つからなる巨大で複雑なデータのことです。 リアルタイムで更新されていくデータを記録して、解析を行うことでこれまでにない新たな仕組みをつくることが可能です。

Society 5.0を支える技術4:ロボット

Society 5.0を支える技術4:ロボット

Society 5.0では、ロボットと共存することになり、とても大事な技術ともいえます。ロボットには、さまざまな種類があります。工場で製造を行う「産業用ロボット」、AIが搭載されている「スマートロボット」、人間のように足や手を持った「サービスロボット」です。

Society 5.0を支える技術5:5G

5Gは、第五世代移動通信システムのことで、高速かつ大量のデータを送受信できる新たな通信手段のことです。

これまでの通信手段は遅延が発生していました。5Gを利用することにより離れた場所でもリアルタイムに通信ができるようになります。一度に多くのデバイスと接続することもできるため、5GによりIoTの発展につながることでしょう。

Society 5.0/第四次産業革命を推進する就業構造とは

Society 5.0/第四次産業革命を推進する就業構造とは

Society 5.0/第四次産業革命によって、雇用状態も大きく変化することが予測されています。
第四次革命により、情報のデータ化、ネットワークを通じてやり取りが自由に行いやすくなります。集まった大量のデータを分析して、新たな価値を生む形で利用できます。他にも、AI(人工知能)が自ら学習し、人間を超える判断することや、複雑な作業にも対応できるようになってきました。これらの技術革新により、産業構造だけではなく就業構造までも変わるといわれています。

AIやロボットなどのテクノロジーが出現することにより、定型労働だけではなく非定型労働についても省人化が進展していきます。
しかし、これは日本で問題になっている人手不足を解消できるものの、従来多かった製造ラインの工員や営業販売、バックオフィスなどは大きく減少していきます。
仕事が減少することで失業者が増えたり低賃金の仕事が多くなったりなどの課題も出てくる恐れがあります。
こうした仕事も含め新たな雇用ニーズを生み出していくために、第四次産業革命で転換される就業構造に応じた人財育成や成長分野への移動が大切です。 そこで、AIやロボットなどを扱える人財が必要となります。

データサイエンティストやアナリスト、AIエンジニアといった職種に対するニーズが非常に高まっています。需要に対して供給が少なく、社外から採用しようとしても簡単ではありません。
またこうした人財には、単にテクノロジーに関する知識だけでなく、業務やビジネスに対する理解も要求されます。したがって、業務知識やビジネス経験を備えた人財が、技術を身につけることで、職種転換をはかることが有効です。
社内で、AIやロボットなどを扱える人財を育成しておくことも良いのではないでしょうか。
もちろん、従業員本人が自身のモチベーションを管理するためのスキルも必要です。

 

アイ・ラーニングでは、AI人財育成のお手伝いをしています。

データ活用人財育成 / AI・データサイエンス
 https://www.i-learning.jp/service/it/machinelearning.html

ふれるとわかるデジタルビジネス入門
 https://www.i-learning.jp/service/dbiz/topics/dbiz_itt10.html

おわりに

今回は、Society 5.0と第四次産業革命についてご紹介しました。
Society 5.0は、日本政府が提唱している超スマート社会を目指した社会システムのことで、第四次産業革命は、最新の技術を仕様して起こる産業革命のことです。
Society 5.0と第四次産業革命は、どちらもIoTやAI、ビッグデータ、ロボットなどが鍵となります。IT人財を育成していくことが、Society 5.0と第四次産業革命の実現への第一歩となるでしょう。

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