生成AIとは?従来のAIとの違いや種類、業務活用例を解説

2025.03.26IT
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生成AI

生成AIとは、学習したデータに基づいてテキストや画像、動画、音声など多岐にわたるコンテンツを自動生成する人工知能のことです。生成AIの進化は企業のビジネスモデルや業務効率化に大きな変革をもたらしており、創造的な分野から日常生活まで、幅広く活用されはじめています。
今回の記事では、生成AIと従来のAIとの違いや種類、業務への活用例について詳しく解説します。

生成AI(ジェネレーティブAI)とは

生成AI(ジェネレーティブAI)とは、ユーザーが与えたデータを学習し、その学習データに基づいて新たなコンテンツを生成するAIのことを指します。ニューラルネットワーク(人間の脳内にある神経細胞「ニューロン」の仕組みを模倣した機械学習モデル)を基にしたディープラーニング(深層学習)という手法を活用しているため、大量のデータから特徴やパターンを抽出して学習することが可能です。これにより生成AIは、学習したデータを用いて精度の高い創造的なコンテンツを生成できるようになります。
生成できるコンテンツは、テキスト、画像、動画、音声などさまざまです。昨今、デザインやエンターテイメント、医療、教育といった幅広い分野での活用が広がっています。

従来のAIと生成AIの違い

従来のAIと生成AIの大きな違いは、従来のAIは与えられたデータに基づいて「適切な回答を提供する」のに対し、生成AIは「新たなコンテンツを生み出す」点にあります。従来のAIは入力された指示文に対して過去の学習データから分類・予測を行い、適切な情報を提供します。つまり、過去のデータの範囲内で回答を出力することに特化しています。
生成AIは従来のAIのような分類や予測だけではなく、より創造的なコンテンツの生成に特化しています。

生成AIの種類

生成AIにはさまざまな種類がありますが、ここでは主な4種類をご紹介します。

テキスト生成AI

生成AIの種類

テキスト生成AIとは、ユーザーが与えたテキストデータを学習し、新たなテキストを自動生成するAIのことです。大量のデータから言語の構造やパターンを学習させることで、入力した指示文に基づいた自然な文章やコンテンツを生成できます。最近では、高精度な自然言語処理技術によってまるで人間同士の対話を行うことも可能で、実際に音声で会話できるAIモデルもあります。
テキスト生成AIは、ビジネスシーンにおけるコンテンツ生成や文章の要約、自動翻訳、検索システム、チャットボット形式のカスタマーサポートなどの分野で活用されています。

画像生成AI

画像生成AIとは、ユーザーが与えた画像データを学習し、新たな画像データを自動生成するAIのことです。色や形といった画像の特徴を学習させることで、入力した指示文に基づいた人物画や風景画、イラスト画像などさまざまなジャンルの画像を生成できます。
画像生成AIは、アート作品の制作、ロゴやデザインの生成、商品画像の生成、医療画像の解析、CM制作、ゲーム開発など幅広い分野で活用されています。

動画生成AI

動画生成AIとは、ユーザーが与えたテキストや画像、音源、動画データなどを学習し、新たな動画データを自動生成するAIのことです。専門的な知識やスキルがない人でも、動画生成AIを活用することにより短時間で動画コンテンツを生成できます。
動画生成AIは、映画やアニメ制作、ゲーム開発、広告、教育コンテンツなどクリエイティブな分野で活用されています。

音声生成AI

音声生成AIとは、ユーザーが与えた音声データを学習し、新たな音声データを自動生成するAIのことです。声色やテンポといった音声の特徴を学習するため、単にテキストを読み上げるだけでなく、より自然な発音や感情に合わせた表現で音声を生成できます。
音声生成AIは、ナレーションやアニメキャラクターの音声生成、テキストの音声化、教育ツール、音声案内システム、コールセンターでの自動応答システムなど活用の場が増えてきています。

生成AIに用いられる主なモデル

生成AIはモデルごとに生成するデータや使用用途が異なるため、それぞれの仕組みを理解することで業務効率化やアイデアの創造に最大限活用することが可能です。

GPT

GPTとは「Generative Pre-trained Transformer」の略で、「OpenAI」によって開発された大規模言語モデルのことを指します。事前に与えられた大量のデータを学習することで、自然な文章の作成やコンテンツの自動生成が可能です。GPTは文章の生成や要約、翻訳、質疑応答、コンテンツ生成といった自然言語処理タスクに広く用いられています。

近年認知度の上がっている「ChatGPT」はこのGPTを応用し開発されたAIチャットサービスで、アップデートによって複雑な理数系分野での活用や画像生成なども可能になっています。

VAE

VAE(変分オートエンコーダ)とは「Variational Autoencoder」の略で、ディープラーニング技術による画像生成モデルのことを指します。ニューラルネットワークを用いてデータの潜在的な特性を学習し、似ている画像や新たな画像の生成が可能です。VAEは「エンコーダ」と「デコーダ」から構成されており、入力データの特徴を圧縮・再構築することで新たな画像を生成します。

GAN

GANとは「Generative Adversarial Networks」の略で、VAEと同様に画像生成モデルの一種ですが、VAEとは異なる特徴を持っています。GANは、「ジェネレータ(生成器)」と「ディスクリミネータ(識別機)」という敵対関係の2つのニューラルネットワークから構成されています。ジェネレータが生成したデータを、ディスクリミネータが偽物か本物かを識別しながら学習することで、精度の高い画像を生成していく仕組みです。

生成AIの業務活用例

生成AIの業務活用例

生成AIは幅広い分野で活用されており、創造的なコンテンツの生成や業務効率化に大きく貢献しています。ここからは、生成AIの業務活用例をご紹介します。

文章の要約

テキスト生成AIは、与えられた元の文章から全体の内容や意図を理解し、ポイントを抜き出して文章を要約できます。長文の文章でも、要点を汲み取りつつ読みやすい文章にまとめることが可能です。生成AIを用いることで、長文の記事や論文のまとめ、報告書や会議資料の作成といった作業を効率的に進められます。

メール文の作成

テキスト生成AIは、顧客への営業メールやお礼メール、謝罪メール、海外企業へ送るメールなど、定型化が難しいメール文を作成する際に非常に有効です。日々多くのメール送付が必要な場合には、生成AIを用いることでメール文作成の負担を軽減できます。
ただし、生成AIが作成したメール文を送る前に、誤字脱字や不適切な言い回しがないか確認することが重要です。

会議音声の文字起こし

生成AIは、会議で録音した音声データを自動でテキスト化する作業も得意としています。長時間録音した音声データを手動で文字起こしするには一定の手間とコストがかかるため、生成AIを用いて文字起こしすることで大幅な業務効率化を図ることが可能です。

Webサイトの背景素材の作成

画像生成AIを用いて、Webサイトの背景に使いたい素材を作成することも可能です。Webサイトのコンセプトや色味、テイストなどの指示をテキスト入力すると、イメージに合わせた背景素材を自動生成します。生成AIによって背景素材の作成時間を短縮でき、Webサイトをより充実させるための作業に工数やコストをかけることができます。

プログラミングのコード生成

生成AIにプログラミング言語を指定して具体的な要件や内容を与えると、プログラミングのコードを自動生成することが可能です。また、既存コードの修正提案も行えるため、手作業でコードを記述する負担を軽減しながらも、精度の高いコード記述でプログラミングの実行をサポートしてくれます。

まとめ

今回は、生成AIの概要や種類、業務活用例についてご紹介しました。日々の業務に生成AIを取り入れることで大きなメリットが期待できますが、著作権問題や情報漏えいなどのリスクにも注意が必要です。

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アイ・ラーニングコラム編集部

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