リーダーシップとは?マネジメントとの違いや種類、高める方法を解説

2025.05.21ビジネス
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リーダーシップ

リーダーシップとは、目標に向かって集団を牽引する能力のことをいいます。変化が激しい現代社会において人々を動かし、目標達成へつなげるためには、管理職以外のメンバーもリーダーシップを発揮することが求められています。
今回の記事では、リーダーシップとマネジメントとの違いや種類、リーダーシップを高める方法について解説します。

リーダーシップとは

リーダーシップとは、組織やチームなどの集団をまとめて、目標に向かってメンバーを牽引する、導いていく能力です。それは単なる先頭に立つ者としての指示や命令ではなく、メンバーに前向きな影響を与え、自主的な行動を促すことをいいます。リーダーシップはその人の地位や役職に関係なく、相手との信頼関係の構築、誠実さ、冷静な判断力、コミュニケーション能力、行動力、決断力などから育まれるものです。変化が激しく多様化している現代社会において、一人ひとりがリーダーシップを発揮することで、組織全体の生産性やパフォーマンスの最大化につながることが期待できます。

マネジメントとの違い

「リーダーシップ」と「マネジメント」は混同されやすい言葉ですが、それぞれの持つ意味や目的が異なります。リーダーシップとは、組織やチームの方向性を示してメンバーを導く力であるのに対して、マネジメントとは、目標達成に向けて経営資源を計画的かつ効率的に管理・実行する力のことです。どちらも組織の目標達成のために欠かせない能力ですが、リーダーシップは「人を導くこと」「影響を与えること」、マネジメントは「成果を出す仕組み作り」「管理すること」に重点を置いています。

リーダーシップの種類

リーダーシップの種類

心理学者であるクルト・レヴィンは、リーダーシップスタイルを「専制型」「民主型」「放任型」の3つに分類しています。ここでは、それぞれの種類の特徴について解説します。

専制型リーダーシップ

専制型リーダーシップとは、リーダーがすべての行動において意思決定を行うのが特徴です。基本的に部下の意見はあまり反映されず、上司から一方的に指示されます。意思決定から実行までのスピードが早いため、緊急時や納期が迫っているプロジェクト、短期間で成果を上げる必要のある場面などでは効果的なスタイルです。しかし一方で、メンバーの主体性や創造性が失われ、長期的な成長につながりにくいというデメリットもあります。

民主型リーダーシップ

民主型リーダーシップとは、メンバーの意見やアイデアを積極的に取り入れながら意思決定を行うのが特徴です。リーダーからの一方的な指示ではなく、メンバーの意見にもしっかりと耳を傾けて双方向のコミュニケーションを重視しています。そのため、メンバーの主体性や責任感を高め、チーム全体のモチベーション向上に有効なスタイルです。ただし、意思決定に時間はかかるため、スピード感が求められる場面には適していません。

放任型リーダーシップ

放任型リーダーシップとは、リーダーがメンバーの行動に関与せず、意思決定をメンバーに委ねるのが特徴です。主体性が高く有能なメンバーを率いる場合や、個々の能力を活かしたい場面において有効なスタイルです。リーダーの介入が少ないため、チームとして機能しなくなったり、自己管理能力が低いメンバーがいる場合は生産性が低下したりする可能性があります。

リーダーシップ能力が高い人の特徴

リーダーシップ能力が高い人には、いくつかの共通した特徴があります。

相手と信頼関係ができている

リーダーシップには、相手との信頼関係が必要不可欠です。仕事の能力が高くても、信頼されていない人には誰もついてきてくれません。リーダーシップを発揮するためには、まずは相手を信頼し、自分のことも信頼してもらうことが大切です。相手との信頼関係ができている上で、人を動かすことができるのがリーダーシップ能力の高い人であるといえます。

誠実さを備えている

リーダーシップ能力が高い人は、どんな状況であっても責任を持って向き合うという誠実さを備えています。誠実さは、メンバーからの信頼を得るために必要な要素であり、日々の行動の積み重ねによって磨かれるものです。嘘がない、言動が一貫している、失敗や課題から逃げずに真摯に対応できるという人は、チームを正しく導くことができます。

精神的に安定している

リーダーシップ能力が高い人は、常に冷静さを保つことができる人です。精神的に安定していることで、トラブルやプレッシャーのかかる場面でも的確な判断や指示を出せるようになり、チーム全体に安心感を与えられます。

コミュニケーション能力がある

リーダーシップには、コミュニケーション能力も非常に重要となります。誰とでも仲良くなるためではなく、メンバーの自主的な行動を促すには、相手の考えを否定せずに読み取るとともに、しっかりと指示やアドバイスを伝える能力です。チームをまとめてメンバーとの信頼関係を構築するためにも、コミュニケーション能力は欠かせません。

率先して行動できる

リーダーシップを発揮してメンバーを動かすことができる人は、自ら率先して行動する力があります。言葉でメンバーを動かすのではなく、自ら実践して見本となることでメンバーも行動を起こすようになります。チームを先導して影響を与える力は、リーダーシップに必要な能力の一つです。

決断力が高い

リーダーシップの高い人は、多くの選択肢から一つの答えを決断する力が備わっています。リーダーシップを発揮する上であらゆる場面で決断力が必要とされ、迅速かつ的確な判断を下すことで目標達成へと導くことができます。

社員のリーダーシップを高める方法

リーダーシップを高める方法

リーダーシップは、経験や学びなどの育成を通じて高められるスキルです。ここからは、企業が社員のリーダーシップを高めるための3つの方法をご紹介します。

研修

研修は、座学やグループワークを取り入れながら学びの機会を提供する育成方法です。研修を通じてリーダーシップに関する理論や汎用的なスキルを習得でき、個々の成長を促すことにつながります。研修を実施する場合は、社内研修、社外研修などさまざまな手段があるため、研修目的や個々のレベル(若手・中堅・管理職)に合わせて選択すると効果的です。

OJT

OJTは、実際の日常業務の中で行われる育成方法です。先輩や上司から直接指導やフィードバックを受けることができ、実務を通じて責任感や信頼関係が生まれやすくなります。OJTは座学だけでは得られない、より実践的なスキルを身につけるのに非常に有効な手法です。

自己学習

自己学習は、自身のスキルや知識を磨き、能力を高めるために自主的に取り組むことを指します。具体的には、書籍や動画を活用した学習、資格の取得、社員との意見交換、セミナーへの参加などが挙げられます。リーダーシップは、日々の学びの積み重ねによって向上させることが可能です。企業としては社員の自己学習を促進する環境を整えることで、リーダーシップ能力の高い人材が育ち、企業の持続的な成長につながります。

まとめ

メンバーがそれぞれリーダーシップを発揮することで、組織全体のパフォーマンスが向上し、目標達成や企業成長に大きく貢献することが期待できます。企業としては、一人ひとりがリーダーシップを身につけられる環境を整備することが求められます。

アイ・ラーニングでは、組織やチームの生産性を高める人材を育成したいと考えている方に向けて、リーダーシップを発揮するために役立つさまざまな研修を用意しています。一人ひとりのリーダーシップに必要とされる能力を高めたいという場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

i-Learningのチーム/リーダーシップ研修についてはこちらから
👉https://www.i-learning.jp/service/human/leadership.html

アイ・ラーニングコラム編集部

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