10進演算やマクロ命令の作成、z/OSアセンブラー・サービスやDFSMSdfpのアクセス方式ルーチンの使い方など、実務的なプログラムに求められるアセンブラー・プログラミングの実用知識とアセンブラー・プログラムの問題判別に必要なデバッグやダンプ解析方法を習得するコースです。
当コースでは、共通知識としてのz/OSアセンブラー・プログラミングと、受講者の実務に合わせて選択可能な応用演習(新規プログラムの作成、既存プログラムの保守、ダンプの解析)で構成されています。実機演習を通じてアセンブラー・プログラミングや問題判別の基本技術を習得できます。
対象者として以下の様な方を想定しています。
・アセンブラー言語で書かれたアプリケーション・プログラムやシステム出口ルーチン等の保守に携わるプログラマーなど、既存のアセンブラー・プログラムを修正する方や新規のアセンブラー・プログラムを作成する方
・テクニカルサポート部門などで初期トラブル調査としてダンプ解析などを行う方
・その他、z/OSの内部構造をより深く理解したい方(z/OS全般の機能について解説された「z/OSの構成と機能」コースにおける座学知識をより実践的に深めることができます)
※開催初日の15日前に開催判断を行いますので、お早めにお申し込みをお願いいたします。
日時 | 場所 | 状況 | 締切日 |
---|---|---|---|
8月5日(火) 〜 8月8日(金) | オンラインクラス | 受付中 | 7月27日(日) |
1月20日(火) 〜 1月23日(金) | オンラインクラス | 受付中 | 1月8日(木) |
上記概要をご覧ください
当コースは「アセンブラー言語入門」(DA045)の後続コースです。入門コースに含まれる内容は重複して解説されません。以下に前提となるアセンブラー・プログラムとz/OSやメインフレーム・コンピューターに関する知識について示します。
◆前提となるアセンブラー言語とプログラミングに関する知識(当コースでは説明しません)
・コンピュータで扱われるデータの形式の違い
2進数、10進数、16進数の違いと相互変換の計算法(16進電卓の使用可)、パック10進数、ゾーン10進数の形式の意味と両者の使い分け方、ビット、バイト、ワードの意味
・IBM zアーキテクチャーに関する基礎知識
CPU、PSWと汎用レジスターの機能、仮想記憶とアドレッシング(ベース・アドレスと変位)、命令の種類と形式、割込みの種類とその意味など
・アセンブラー言語の基礎知識
構文、記述法、基本的なアセンブラー命令(CSECT、USING、EQUなど)の使い方、
・基本的な機械命令の使い方とデータの定義方法
レジスターの操作、比較処理と条件分岐、ループの制御、文字と文字列の処理、整数演算、ビット操作と論理演算
以下に示す命令については実際にその機能や動きについて理解している必要がありますL/ST、LH/STH、LR/LTR、LA、LM/STM命令
C/CH/CR、CLI/CLC、BC/BCR、拡張簡略命令(B、BE、BNE、BZ、BNZなど)、BAL/BALR(BAS/BASR)、BCT/BCTR命令
MVI/MVC/MCVL、IC/ICM、STC/STCM、CVB/CVD、PACK/UNPK、EX命令
A/AH/AR、S/SH/SR、M/MH/MR、D/DR命令
NI/OI/XI、TM、SLL/SRL命令
DC/DS命令など
・プログラムの連係方法
z/OSリンケージ規約、レジスター保管域の意味と使い方、プログラムの冒頭と終了時の処理、外部ルーチンの呼び出し手順など
◆前提知識を満たすための関連コース
1.情報処理の基礎知識を習得するための研修として「まるわかり情報システムの基礎」(GM021)があります。
2.「アセンブラー言語入門-zアーキテクチャー機械命令とアセンブラーの基礎-」(DA045)の受講していること。または「アセンブラー言語-自習方式」(24010)かAssemblerの基礎-CD-ROMコース(6HA10)を修了しているか前述の前提知識を有すること。
3.z/OSに関して一般的な範囲内の知識を有し、ISPFとSDSFの基本的な操作ができること(本コースでは実機を使用した機械演習を行います)。関連する研修として「z/OSベーシック」(ES056)、「TSO(ISPF)のオペレーション入門」(ES476)、「z/OS JCL基礎演習」(ES105)、「z/OSの構成と機能」(ES207)などがあります。
前提知識があるかどうかを確認したい方や前提コースの習得度合いをテストしたい方は、スキル・アセスメント・テストを実施してみてください。解答も用意しています。全問正解できれば前提条件を満たしています。
*解答中に記載されている参照テキストは「アセンブラー言語入門」(DA045)のテキストを示しています。
スキル・アセスメント・テスト 解答
当コースを修了した時点で、次のことができることを目標とします。
1.基本的なz/OSのマクロ命令とアクセス方式を理解し、実際の業務プログラムを保守できる(実用的なプログラムを書ける)ようになる。
2.アセンブラー言語で書かれているアプリケーション・プログラムやオペレーティング・システムの出口ルーチン等を保守するための基本的なデバッグ方法を習得する。
3.ソフトウェア・トラブル等で出力されたABENDダンプやSVCダンプを解析するための基礎知識を習得する。
4.講義内容に関する機械実習課題のプログラムの誤り箇所を修正し、正しく動くことを確認する、あるいはソース・プログラムがなくてもダンプからエラー発生時のプログラムの状況や誤り箇所や理由を特定できるようになる。
●1日目
・アセンブラー・プログラムのデバッグ
・z/OS MVSアセンブラー・サービス
●2日目
・z/OS MVSアセンブラー・サービス(続き)
・順次データ・セットのアクセス
・10進演算とデータ編集
・マクロ命令と条件付きアセンブリー
・ダンプ解析のための機械語コード解読(※選択者のみ)
・MVSアセンブラーサービス・インターフェース概説(※選択者のみ)
●3日目
・VSAMデータ・セットのアクセス
・31ビット・アドレッシング
・IPCS基本操作(※選択者のみ)
・総合機械演習
●4日目
・マルチ・タスクとリエントラント・プログラム
・z/OSがプログラムを実行する仕組み
・ダンプ解析演習(※全員)
(MVSのコントロール・ブロック内容からプログラムがどのようなエラーを起こしていたかを解析する実習)
※選択者のみと示された項目は、ダンプ解析演習を選択された方向けのMVS問題判別技術に関連する内容で、プログラミング(保守または作成)演習時間を利用しての解説です。
キャンセル規定 | 受講開始8日前から受講料(購入価格)の50%のキャンセル料がかかります。 また、受講開始0日前(当日キャンセル)から受講料(購入価格)の100%のキャンセル料がかかります。 |
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受講者メールアドレス | □受講者メールアドレスについて |
テキスト | □テキストについて |
オンラインクラス | □オンラインクラス |
教室クラス | □教室クラス |
演習環境 | <演習環境事前確認について> □オンラインクラスを受講される方へ |
2023年4月よりコースコードが変更になりました。(旧コースコード:DA053)
□オンラインクラスご参加のお客様で、自宅やオフィス以外の場所でのオンライン受講をご希望の方には iLスクエア をご提供いたします。ぜひご活用ください。
1.順次データ・セットのアクセス、MVSアセンブラー・サービス(スーパーバイザー・サービス)の呼び出し等、受講後の自己学習に必要かつ有益な内容を含みます。
2.アプリケーション・プログラムの保守に必要な10進演算や印刷帳票の編集処理などに必要な内容を含みます。
3.マクロ命令の保守に必要なマクロ命令の作成や条件付きアセンブリーについて解説します。
4.システム出口ルーチンやオンラインリアルタイム・アプリケーションの保守等に必要なマルチ・タスクやリエントラント・プログラムについての概要を解説します。
5.講義内容に沿った実機演習によって、より理解度を高め、知識が定着します。
6.実機演習にはプログラミング演習とデバッグ・メンテナンス演習およびダンプ解析演習の3種類があり、受講者の実務に沿った演習問題を選択できます。
7.当コースのダンプ解析では「PSWとレジスターの内容からプログラム内の誤り箇所を突き止める」というものだけでなく、z/OSのワーク管理(タスクとプログラムの制御)の機能と絡めて、MVSのコントロール・ブロックを元にタスクやプログラムの状態をトレースする方法も解説します。
8.ダンプ解析の実機演習では、パラメーターを変えて実行するだけで様々な種類のエラー状況を引き起こす演習用のプログラムを使い、単なるプログラム割込みのABENDだけでなく、LOOP、WAIT、MVSのサービス・ルーチン内でのABENDなどのケースについても実際の解析作業を行います。
9.MVSのコントロール・ブロックからエラー箇所をたどっていくダンプ解析の方法は、アプリケーション・プログラムのABENDダンプだけでなく、MVS自身やMVSの出口ルーチン内でエラーが起きた際に出力されるSVCダンプの解析にもそのまま応用できます。
10.当コースで解説されるダンプ解析方法は、エラーを起こしたプログラムのソース・コードやアセンブル・リストがなく、さらにジョブ・ログなどもなく、ダンプリストだけが渡されてトラブルシューティングを行わねばならないような場合にも応用ができます。そのような実務を想定した演習も用意されています。
11.実務でのダンプ解析では、MVSのコントロール・ブロックの知識だけなく機械命令コードの解析なども必要になります。講習内容にはそれらも含まれており、プログラミングやメンテナンスの業務だけでなく、IBMやソフトウェアベンダーのトラブル対応業務などにも応用が利くものになっています。
12.IPCSダイアログを使用したダンプ解析演習も用意されており、IPCSダイアログの基本操作も学べます。