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フールプルーフ[foolproof]とフェイルセーフ[fail-safe]


フールプルーフとフェイルセーフ

皆さんはフールプルーフ、フェイルセーフ、という言葉を聞いたことがありますか? どちらも【ものごとの設計】段階で考慮される言葉です。
フールプルーフ設計・・・
フェイルセーフ設計・・・
のように使われます。身の回りにも結構多いので少し紹介してみましょう。

フールプルーフ

フールプルーフを直訳すると「簡単」となりますが、むしろ「フール」と「プルーフ」に分けた方が本来の意味に近いように思います。 つまり、「何も知らない人が使っても大丈夫なように証明されているもの」「使用方法を知らない、もしくは間違った使い方をしても大事に至らないような設計」のことです。いくつか例を記述しましょう。

物を作る側では当たり前の事でも、実際に使う方は知らない事が多いものです。 使う方の目線で使いやすい設計をするのは当たり前ですが、さらに一歩踏み込んで誤った使い方をしないような設計が必要なんですね。

フェイルセーフ

失敗するけど安全?? 「操作方法を間違ったり、部品が壊れたり、誤作動したりした場合に、危ない方向ではなく、安全な方向へ向かう」ように設計することをいいます。

ストーブは下側に突起があり、通常の設置では突起が押されて沈み込んでいますが、地震などで転倒すると突起が飛び出し、これがスイッチと連動してストーブが消えます。

踏み切りの遮断機は電気で上げ下げ(開閉)していますが、停電などで電力が絶たれた場合、たとえ上がった状態であっても自重で自然と下がる仕組みになっています。

電車の運転で使うマスコン(自動車のハンドルのようなもの)には突起があり、マスコン・ハンドルを握ることで、この突起を押し込んでいないと電車は加速しません。もし何らかの事情で運転手がマスコン・ハンドルから手を離すか、握力が弱まると自動的に車両は減速するようになっています。

それぞれナルホド、という仕組みが盛り込まれています。 燃えさかるよりは消える方を選択するストーブ、開いたままよりは閉まった状態を選択する遮断機、緊急時に加速するよりは減速する方を選択する車両・・・これがフェールセーフ設計です。

まだまだ他にも

他にもフェールバック、フェールオーバー、フェールソフト、フォールバック、など似たような言葉の設計考慮点があります。1つ1つその内容を見ていくのも面白いし、そしてそれらが①システム設計、②運用設計、の基本的な考え方につながっていきます。 皆さんも興味のあるところから調べてみませんか?

小倉 紀彦 (株式会社アイ・ラーニング IT研修部 ラーニング・アドバイザー)
日本アイ・ビー・エム入社後、SEとして、金融、証券、食品業界を担当しお客様システムの構築やネットワーク構築に携わる。その後ネットワーク事業部・運用部門として、IBMイントラネットの保守、運用を担当。 2002 年より研修インストラクターとして、基礎から応用まで広範囲にわたるセキュリティーおよびネットワーク、運用管理についての研修を担当。

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