メタエンジニアの戯言 : i-Learning アイ・ラーニング

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松林弘治のコラム メタエンジニアの戯言

 2021年3月4日

vol.36「感想を噛み締め、批判から学ぶ」

先月のコラムで書いたオンサイトでの仕事、無事終わりました。埼玉にある城西大学の教職員の方々向け研修が舞台で、前半が私の講演、後半はマイクロソフトの栗原太郎さんによる Power Automate ハンズオンという内容でした。私が「そういうことか、自分にもできそう」と気づいてもらう役、栗原さんが「その一例としてどんなことができるか」を体験してもらう役、という分担となりました。

講演スライドPDF
https://bit.ly/2YOF6Zn

対面参加が20名程度、オンライン参加が120名程度、というハイブリッド研修でしたが、参加された方々の顔が直接見えにくい(≒対話が生まれにくい)かたちでの講演というのはなかなか難しいもので、今後自らのスキルを改善していかねば、と思った次第です。
https://www.josai.ac.jp/news/20210224-02.html

それはさておき、わたしが感銘を受けたのは、全教職員が300名規模の高等教育機関において、これほど多くの教職員の方々が業務時間内に研修に参加された、という点です。このような「業務効率化・改善」という文脈での研修に、全体の3割~4割が参加される、ということは、現状の業務に問題意識を持ち、より改善していきたい、と考えておられる方が少なくない、素晴らしい職場だと思ったからです。

講演そして、それ以上に感銘を受けたのは、この研修の開催自体が、トップダウンで決まったのではなく、熱意ある現場の若手教職員有志により提案され、学長がそれを応援し(学長自らも後半の Power Automate 実習に取り組まれていたのが非常に印象的でした)、実施にこぎつけられた、ということです。現状を打破したい、雰囲気を変えたい、現場レベルから取り組み改善していきたい、という情熱が、きちんと行動を伴い当研修の開催・運営にまで結実したことは、文字通り敬服に値することだからです。

開催後に集められたアンケートを拝見しましたが、参加された方のほとんどが非常に前向きに受け止めてくださり、日々の業務に生かしていきたいという気持ちを醸成されているのが読み取れ、微力ながら力になれたのかもと嬉しくなりました。また、さっそく、様々な紙ベースの申請書類を撤廃し自動化する取り組みも始まっているとのことです。

そんな好意的なフィードバックの中に、一部批判的なコメントも見つけました。曰く「YouTube で似たような内容がもっと短く面白く説明されている」「人間性は伝わってきたが話し方が分かりづらかった」。もちろん落ち込みましたが(笑)こういう批判的なコメントをいただくことは、本当にありがたく思います。そうしないと、自分を向上し続けられませんから。

わたしは確かにセミナー講師が本職ではありませんし、大人数に一方的に話しかけるよりも、一対一あるいは少人数相手に対話したりファシリテートする方が圧倒的に好きなタイプです。そして「教授」より「協働」を志向したいと常々考えています。

そして、今回のイベントでは教えられること、気付かされること、刺激を受けたことがとても多く、改めて主催されたみなさんに感謝いたします。

松林 弘治 / リズマニング代表
大阪大学大学院基礎工学研究科博士前期過程修了、博士後期課程中退。龍谷大学理工学部助手、レッドハット、ヴァインカーブを経て2014年12月より現職。コンサルティング、カスタムシステムの開発・構築、オープンソースに関する研究開発、書籍・原稿の執筆などを行う。Vine Linuxの開発団体Project Vine 副代表(2001年〜)。写真アプリ「インスタグラム」の日本語化に貢献。鮮文大学グローバルソフトウェア学科客員教授、株式会社アーテックの社外技術顧問を歴任。デジタルハリウッド大学院講義のゲスト講師も務める。著書に「子どもを億万長者にしたければプログラミングの基礎を教えなさい」(KADOKAWA)、「プログラミングは最強のビジネススキルである」(KADOKAWA)、「シン・デジタル教育」(かんき出版)など多数。