ストーリーテリングとは?意味やビジネスにおける活用方法を解説
2025.12.10ビジネス
ビジネスの現場において、相手に情報を正確に伝え、記憶に残してもらうことは重要な課題です。データや事実を並べるだけでは聞き手の心に届かず、すぐに忘れられてしまうこともあります。そこで近年注目を集めているのが「ストーリーテリング」という手法です。
本記事では、ストーリーテリングとはどのような意味か、ビジネスにおける活用方法と実践する際のポイントについて詳しく解説します。
ストーリーテリングとは
ストーリーテリングとは、物語を通じて伝えたい情報やメッセージを効果的に伝える手法です。単なる説明ではなく、登場人物、状況、課題、展開、結末といった物語の形として構成することで、より深い理解と共感を生み出す効果を発揮します。プレゼンテーションやマーケティング、ブランディング、社内教育など、幅広いビジネスシーンで活用されており、聞き手の心に強い印象を残す重要なコミュニケーション手段として注目されています。
ストーリーテリングが注目される理由
スタンフォード大学の研究によると、物語は事実だけを述べるよりも最大22倍記憶に残ることが示されています。現代のビジネス環境では膨大な量の情報が飛び交い、数字やデータだけの資料は印象に残りにくいという課題があります。一方で、物語として構成された情報は説得力を高め、感情を動かすことで記憶に定着しやすくなります。このように、物語が人々の記憶に残りやすいという科学的な根拠から、ストーリーテリングの価値が注目されています。
参考:スタンフォード大学「Harnessing the Power of Stories」
ストーリーテリングの効果

ストーリーテリングを活用することで得られる効果は多岐にわたります。ビジネスシーンに限らず、あらゆる場面でストーリーテリングがもたらす効果について見ていきましょう。
内容が伝わりやすい
ストーリーテリングを活用することで、複雑な情報や抽象的な概念も理解しやすく、内容が伝わりやすくなります。物語には時間の流れや因果関係があるため、聞き手は情報を体系的に整理しながら受け取ることが可能です。数値データだけを提示するよりも、「どのような課題があり、どのように改善されたか」と物語として伝えることで、より理解を深める効果があります。
聞き手の記憶に残りやすい
人間の脳は、物語形式の情報を記憶しやすいという特性があります。物語には因果関係や感情が伴うため、単なる事実やデータよりも長期記憶として定着しやすくなります。情報を断片的に覚えるのではなく、一連の流れとして記憶するため、より理解を深められる重要な要素です。このようにストーリーテリングは、重要なメッセージを聞き手の記憶に刻み込むという点で大きな効果を発揮します。
共感を得やすい
ストーリーテリングの最も大きな効果の一つが、聞き手からの共感を得やすい点です。物語には登場人物の感情や経験といった要素が含まれるため、聞き手は自分自身を重ね合わせて受け取ることができます。共感は、ビジネスにおいて信頼関係の構築や購買行動につながる重要な要素です。事実やロジックだけでは人の心は動きませんが、感情に訴えかけるストーリーテリングだからこそ実現できる効果です。
ビジネスにおけるストーリーテリングの活用方法
ストーリーテリングはビジネスの様々な場面で活用することができます。ここでは代表的な3つの活用方法をご紹介します。
商品やサービスのPRに活用
商品やサービスのプロモーションにおいて、ストーリーテリングは非常に有効な手法です。動画広告やネット広告などで物語性を持たせることで、視聴者の感情に訴えかけ、商品やサービスへの購買意欲を高められます。単に商品の機能や特徴を説明するのではなく、商品が生まれた背景や開発者の想い、ユーザーにもたらす変化を物語として伝えることで、視聴者の共感や企業への信頼を生み出すことができます。
プレゼンテーションでの活用
プレゼンテーションの場では、提案内容や報告内容をストーリーにすることも有効です。データや予測を羅列するだけでなく、「なぜこの提案が必要なのか」「どのような困難に直面しているのか」「どのように解決し、どのような未来が実現されるのか」を物語として構成することで、理解度と説得力を高められます。また、プレゼンテーションでは起承転結の構成を意識することで、聞き手の関心を引きつけやすくなります。
社員の育成、社内コミュニケーションでの活用
社内の育成や社内コミュニケーションにおいても、ストーリーテリングは大きな効果を発揮します。経営理念や企業文化、行動指針といった抽象的な概念を浸透させるには、言葉だけでは理解や共感を得られにくいものです。創業者の経験談や企業の歴史、先輩社員の成長エピソードを物語として伝えることで、社員は企業を深く理解し、共感を育みながら自分自身の行動に結びつけることができます。その結果、組織の一体感やモチベーション向上、定着率の改善にもつながります。
ストーリーテリングを実践する際のポイント

実際にストーリーテリングを取り入れる際は、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
ターゲットを明確にする
ストーリーテリングにおいて最も重要なのは、誰に向けて物語を語るのかを明確にすることです。伝える相手によって物語の登場人物や表現方法が大きく変わってくるため、ターゲットの属性、価値観、抱えている課題を理解した上で、相手に響く物語を設計することが成功の鍵となります。
伝えたい内容を明確にする
物語を通じて聞き手に何を伝えたいのか、どのような行動を促したいのかを明確にすることも重要です。軸となるメッセージがぶれると、物語が冗長になり、聞き手が要点を見失う原因となります。明確なメッセージを一貫して伝え、余分な要素を削ぎ落とすことで聞き手の記憶に残りやすくなります。
共感されやすい主人公をつくる
物語の主人公は、ターゲットが共感しやすい人物であることが重要です。非現実的な設定や特殊な能力を持つ人物だと、聞き手は感情移入しにくくなります。主人公は架空の人物である必要はなく、自分自身の経験や実在する人物を用いることが効果的です。聞き手が「自分と似ている」「まさに同じ状況にいる」と感じる主人公を設定することで、物語への没入感が高まり、メッセージの伝達効果が大きく向上します。
事実や数字など具体性を持たせる
物語を通じて共感を得るには、事実に基づいた情報や数字などリアリティのある要素を入れることが重要です。例えば「売上が伸びた」よりも「売上が前年比120%に成長した」と具体的な数字で示すことで、聞き手の信頼を得やすくなります。ただし、数字を羅列しすぎると物語性が失われるため、自然に組み込むことが効果的です。
シンプルな内容にする
ストーリーテリングで最も重要なのは「伝わる物語」をつくることです。複雑で長い物語は情報量が多く、聞き手の記憶に残りにくくなりがちです。そのため、聞き手の立場になって要点を絞り、シンプルで分かりやすい内容を心がけましょう。特にビジネスシーンでは時間が限られるため、起承転結といった基本構成を守ることで物語の内容が伝わりやすくなります。
ストーリーテリングのスキルをビジネスに活かそう
ストーリーテリングは、情報を効果的に伝え、相手の共感を得るための強力なコミュニケーション手法です。ストーリーテリングは一度身につければ、商品やサービスのPR、プレゼンテーション、社内コミュニケーションなど、様々なビジネスシーンで応用できます。
アイ・ラーニングでは、ストーリーテリングを身につける上で欠かせないプレゼンテーションスキルや、コミュニケーションスキルを体系的に学べる研修プログラムを用意しています。専門的な講習を通じて実践的なスキルを習得することで、より効果的にストーリーテリングを業務に活かすことができます。
アイ・ラーニングのビジネス・コミュニケーション研修についてはこちら
👉https://www.i-learning.jp/courses/human/communication/
アイ・ラーニングコラム編集部

「デザイン思考」でビジネスやライフスタイルから新たな発見や未来を見出す
AIをビジネスに活用したい企業必見!AI導入のプロセスと課題とは
ストレングスファインダー®とは?診断からわかる34の資質と活用ポイント
心理的安全性とは?組織に必要な理由と高める方法、ぬるま湯組織との違いをご紹介
カスタマーサクセスとは?カスタマーサクセスの仕事内容やKPI
The Model(ザ・モデル)とは?注目される理由と導入のメリット、注意点を解説

