自分を可視化する
気がつけば、世の中には数字が蔓延・・
「平均で98%の人が血圧がさがりました」「視聴率30%越え」・・・などなど、電車広告もCMも数字だらけである。
説得力を高めるためには数字が必須なビジネスの世界。
一昔前までは、「KKD」といわれる「勘と経験と度胸」で商売が成り立っていた。そう、職人や経験者のカン。
「春になったから、ピンクが売れるよ」という、自然環境とビジネスも結び付けて、「ほら、やっぱりピンクだ」とさらに経験に磨きがかかる。
ところが今の世の中は、人間の「カン」を数値で表現しないと説得力がない、響かない時代なのだ。
分析の世界では、「KKD」は「仮説・検証・データ」だそうだ。
なるほど、とにかく数値で証明することが大切なのが今の時代。「経験や勘」を数値化するのである。 確かに、数字で受け取ると、「そうなんだ、なるほど」と納得するのもわかる。
しかし、どうだろう?小学校1年生の10人のお小遣いを例にとってみよう。
9人のお小遣いは毎月1,000円。ところが1人だけは、なんと月に20,000円のお小遣いをもらっている。
さて、この10人の平均はいくら?...なるほど「平均にまどわされるな」という言葉もでてきているのも納得だ。
また、すべて数値に置き換えられる世の中だが、数値だけでは真意を表せないことも多い。20,000円もらっていた子は、もしかしたら、お小遣いに「おやつ」や「通学バス代」も含められているかもしれない。一方で 1,000円のお小遣いの子たちは、おやつ代は別にもらっているかもしれない。
直観的に判断のできる数値指標だが、数字だけでは表せない背景がある可能性にも注目したい。数字の背後にある見えないものを読み取る力を養いたいと思う日々である。まさに、「読み取る力=気づき」である。
そのためのひとつの方法は、数字そのものだけを見るのではなく、変化を見ることだ。そこでおすすめしたいのが、身近にあるもの、家計やバイオリズムなどを数値化し、コメントを記録しておくことである。
数字だけからでは見えない、何かが発見できるかもしれない。近年、Excelも非常に優秀な分析機能を備えている。
まずはぜひとも「体重や血圧」でデータを可視化してみていただきたい。健康に結びつく、ヒントや気づきが得られると思う。
まあ、Excelで可視化は敷居が高いという方には、もっと便利な無料スマホアプリをおすすめしたい。日々のウォーキングを簡単に記録でき、自分の動いた軌跡や心拍まで管理してくれる。
アプリによって特色があるが、Stravaは歩いた軌跡を振り返りることができるのが楽しい。さらに、年度末には、1年間の総計、統計量を出してくれる優れものだ。
もう1つのおすすめは、TATTA。毎月の運動リストと可視化したグラフで直観的にわかる。
4月1日から新年度、世間の数値化に一歩近づける、自分の可視化をぜひ!