インストラクターの独り言 : i-Learning アイ・ラーニング

i-Learning 株式会社アイ・ラーニング

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インストラクターの独り言

 2022年1月24日

日常になりつつあるデジタルトランスフォーメーション

先日、とあるハンバーガーショップに行ったときのこと。

カウンターで商品を注文し、出てきた商品を持ち、空いている席を探し、そこで食べる。
これがハンバーガーショップの当たり前です。まぁ、ファストフード店なら大抵似たようなやり方ですよね。

しかし今は、ショップに着いたら直ちに席に座ります。席からスマートフォンで注文すれば、そこで会計も完了、商品は席まで持ってきてもらえるという、魔法のような仕組みになっていました。
これぞデジタルトランスフォーメーション(*以後DX)だなぁと、しみじみ感じ入ってしまいました。

とある牛丼店でも、この魔法の注文方式が可能であるということを知りました。
どちらの店のやり方も家内が知っており、家内が注文するのを私はただ呆然とみているだけでした。
このスマホ注文方式は、決済がスマホ完結でポイントサービスや付加サービスもあります。こういったおトク情報はITに携わっている私のような人間よりも、エンドユーザーである家内の方が敏感なようです。

私がこの技術革新についていけないのは、IT企業人の立場としてもエンドユーザーとしてもまずいなあと思うわけですが、よくよく考えると、このスマホ注文もとんでもなく新しい技術を使ったものではありません。もちろん、新しい技術が全く必要ないということではありませんが、既存の技術を組み合わせたもので、要は発想の問題です。

今の技術でどこまでより便利にできるか?DXの第一歩はまずそこではないでしょうか。

例えば、業務でのデータ管理、提出書類のフォーマットを、スプレッドシート(表計算ソフト)で行う人は多いと思います。 これだと何か古めかしいといったようなイメージを持つ方も多いかもしれませんが、今やスプレッドシートはタブレットでも操作できます。これを作業現場や客先に持ち歩き、その場でデータを更新し、すぐさま会社に送信するといったことも可能ですし、スプレッドシートがクラウド上にあれば、即座にデータの共有も可能になります。

さらに、スプレッドシートのデータを変換して社内のデータベースに送信すると、即座に経営、戦略のデータ分析が可能になり、その情報をグラフなどの資料にして現場で見ることもできるようになります。
身近なスプレッドシートが、基幹システムとの連携に繋がっていくのです。
「それでは、システムを連携すればよい良いのではないでしょうか?」と、女優の方がカッコよく仰るCMがありますが、まさにその通り。あのCMを見て「連携ってそんなに簡単にできないよ」と、嘆くIT関係者の方もおられるかと思いますが、出来るところから手を付けていく、ということが非常に重要だと思います。

私自身、IBM i の研修コースを担当し、そのお客様はいわゆる「レガシー」な昔ながらのオフコン的使い方をする方がまだまだ多くおられます。しかし、「昔ながらのシステムはやめて、DXのために新しいシステムに乗り換えよう」「流行のプログラミング言語でシステムを書き換えよう」とすると、それで失敗してしまう例も数多くあります。DXとは、決して難しいことをしなければ解決できないものではないのです。

IBM i ユーザーの方には、ご自身で工夫して外部のシステムと連携、データ活用されている例が数多くあります。確かに、連携するにはこれまでしてこなかった勉強をしなければいけないのも事実。しかしすべてを置き換える必要はありません。スプレッドシートで活用することもDXになりえるのです。

ここからは全く個人的意見ですが、出来ることから徐々に変えて行った方が、いきなりすべてをスパッと変えてしまうよりも、現場の拒否反応も少ないのではないかと思います。ハンバーガーショップの注文にしても、スマホ注文だけ、になってしまうとおそらく現場はパニックになるでしょうからね。ガラケーのお客様もまだまだおられるでしょうし。。。。
私はまずスマホでの注文方法から覚えるとしますか。

中村 潤
化粧品会社システム部門でS/36、S/38開発経験、SIerでAS/400開発経験を経て2013年よりアイ・ラーニングでIBM i 研修を担当。iCafe、iMagazineにコラム連載、アイ・ラーニングのIBM i Facebookでも情報を発信中。学生時代は競泳選手、ジャパンマスターズ大会で優勝経験アリ。