インストラクターの独り言 : i-Learning アイ・ラーニング

i-Learning 株式会社アイ・ラーニング

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インストラクターの独り言

 2021年4月20日

インストラクターは言葉が命

私がインストラクターという職業についてもう20年近くになるだろうか。最近この職業はつくづく言語力が必要だと思うようになった。言語力?会話力?説明力?…まぁ、なんでもいいや。ってところがまずダメなのだが、とにかく、単純にいえば相手にわかるように伝えることが重要だ。

説明と独り言

イントラクターの仕事はお客様(聞き手)に解っていただけるように内容を説明することだ。相手が「わかった」と認識してくれなければ、それは単にインストラクターの独り言である。
時々私に対して【難解な内容を】【難しい言葉の羅列で】【猛烈な勢いで】話しかけてくる人もいるが、私からすると「なんだ、独り言か」としか感じられない。だって理解不能なんだもん。
聞き手にわかる言葉を選択しながら説明する事はとても大事だ。それこそが説明の本質ではないだろうか?

言葉って難しい

唐突だが、私は英語が苦手である。ここに宣言しよう。「私は・英語が・苦手だ!」
どんなに勉強しても一向にTOEICの点数が上がらない。上がらないどころか下がったりするから困りもんだ。そんな私には英語も大変なのだが、日本語はさらに大変な言語だということもわかっている。平仮名があってカタカナがあって、漢字まで。なんだか大文字と小文字しかない英語がうらやましくなってきた。

恥ずかしい話だが、むかし私は「台風一過」の事を「耐風一家(うぉー、何と)」だと思い込んでいた。
だからニュースで流れる「今日は耐風一家で暑くなりそうです」がチンプンカンプンで全く理解できなかった。この間違いに気づいたのは高校1年の時だ(遅!)
さらに、「台風の影響で山手線が不通になっています」には耳を疑った。
当時の私は、山手線ユーザーとしては平均レベル。「山手線が普通?山手線って快速とかもあったのか!?」と物凄く悩んだものだ(うぉー、これまた何と)。この間違いに気づいたのは高校3年の時だ(おっそ!遅!)

そうか、私は何を浮かれていたのだろう。外国語でなく、まずは母国語だ。インストラクターとしての業務を全うするにはTOEICの点数を上げよう、などという以前にまずは母国語をマスターしなければならない。東進の林先生のようにきちんとした母国語の知識を身につけたい。

「やばい」人工知能

先日、娘がビックリするようなことを私に言った。
前から行きたいとねだられていた銀座のフルーツパーラーで、あまおうの苺で埋め尽くされたパフェを食べながら「お父さん、これやばいね」と。思わず「何か変な味でもするなら文句言おうか」と言葉を返すと娘はきょとんとした顔をしている。何でもパフェが物凄く美味しいのだそうだ。今度はこっちがキョトン!だ。
私の時代は「食べ物がやばい」と表現したら、それは【食べ物が古くなっている】→【カビ生えてるor腐ってる】→【食べたら危険】・・・みたいな感じだったのに、今の時代は「めっちゃ美味しい」ものを「やばい」と表現するらしい。全くチンプンカンプンだ。日本語の進化に対応できていない自分を認識した瞬間だった。林先生なら当然わかるのだろうが。

今では私たちの生活にも人工知能が浸透している。なかでも音声認識などは身近な存在になってきた。
アップルの「Siri」、アマゾンの「Alexa」、マイクロソフトの「Cortana」、メルセデスベンツの「MBUX」・・・などなど。AIはこれらもどんどん新しい言葉を理解していくのだろう。ハンドルを握りながら「ハローメルセデス、パスタのヤバいお店どこ?」なんていう日がすぐそこまできているのだろうか?

なんてことを考えている私は、かなりヤバいかもしれない。

小倉 紀彦 (株式会社アイ・ラーニング IT研修部 ラーニング・アドバイザー)
日本アイ・ビー・エム入社後、SEとして、金融、証券、食品業界を担当しお客様システムの構築やネットワーク構築に携わる。その後ネットワーク事業部・運用部門として、IBMイントラネットの保守、運用を担当。 2002 年より研修インストラクターとして、基礎から応用まで広範囲にわたるセキュリティーおよびネットワーク、運用管理についての研修を担当。